伝説の指揮者フェレンツ・フリッチャイの魅力

ハンガリー出身の名指揮者フェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay/1914―1963)が48歳の若さで亡くなり半世紀余りが経過した。 彼はレコード録音も数多く残しており現在もレコード、CDを通じて彼の芸術にふれることができる。 彼は現在の「ベルリン・ドイツ交響楽団」の元祖、戦後西ベルリンの米軍占領地域放送局(RIAS)直属-「RIAS交響楽団」の首席指揮者、その後「ベルリン放送交響楽団」(1956年)に改称後も初代首席指揮者を務めこの楽団を育てあげた。
筆者が初めて針を下したレコードはスメタナ交響詩「モルダウ」のリハーサル風景と本番を収録したものだった。 この演奏は1960年代にドイツ・グラモフォンからリリースされた1枚で彼が晩年「南ドイツ放送交響楽団(現、シュトゥットガルト放送交響楽団)」に放送録音のため客演した際に収録されたものである(写真1  フリッチャイ&南ドイツ放送響-スメタナ/交響詩「モルダウ」リハーサル+本番・独グラモフォンLPEM 19 471 1960年モノラル録音) 。 このレコードを聴くと彼の繊細で鋭敏な感性でハイトーンで歌いながらリハーサルを進めていく様子がよくわかる。 レコードにはおよそ40分余りのリハーサル風景が収録されている。 数年前には当時の映像もDVD化されている。 またステレオ録音では1960年前後に録音されたベルリン・フィルとのドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調 ”新世界から“」が録音も優秀で彼の巧さが前面に出た演奏でベルリン・フィルの気品も感じとれる。 写真のLPは1970代の独グラモフォン廉価盤シリーズ「レゾナンス(RESONANCE)」からの1枚でジャケット・デザインも気に入っている(写真2  フリッチャイ&ベルリン・フィル「新世界から」独グラモフォン-2535141)。 尚、この音源もフリッチャイ没後50年の2013年に「Blu-ray Audio」でもリリースされた。

スメタナ/交響詩「モルダウ」:(https://ml.naxos.jp/work/3789446):フリッチャイ/RIAS交響楽団
                                        :(https://ml.naxos.jp/work/5151226):フリッチャイ/シュトゥットガルト放送交響楽団
             :(https://ml.naxos.jp/work/4449495):フリッチャイ・ベルリンフィル

ドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調 ”新世界から“」:(https://ml.naxos.jp/work/4449494):フリッチャイ・ベルリンフィル

写真1     フリッチャイのスメタナ/交響詩モルダウのリハーサル+本番(独グラモフォンLP-LPEM19 471)

写真2    フリッチャイ&ベルリン・フィル/ドヴォルザーク「新世界から」(LP 独グラモフォン RESONANCE 2535 141)