英国の逸材若手女流ヴァイオリニスト “クロエ・ハンスリップ” (1)

英国の逸材若手女流ヴァイオリニスト「クロエ・ハンスリップ」のCDを取り上げてみたい。
彼女はなんと13歳の時にデビュー・アルバム「クロエ」をリリース、難曲パガニーニの「ラ・カンパネッラ」やワックスマンの「カルメン・ファンタジー」などを録音していた(写真1  クロエ・ハンスリップ「デビューアルバムCDジャケット(Warner Classics))。 今回紹介するアルバムは先ず彼女のデビュー2枚目となるデビュー盤と同様「ロンドン交響楽団」と共演したブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番・第3番」とサラサーテの「ナバーラ」(共演Vn:ミハイル・オヴルツキ)である。 ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲」は「第1番ト短調」があまりにも叙情的で美しく人気が高く「第3番ニ短調」は「第2番ニ短調」と同様「第1番」の陰に隠れコンサートで演奏される機会が少ないのは残念である。 しかし彼女は演奏時間もおよそ40分弱を要する「第3番」を見事に弾きこなしその演奏のスケール感も素晴らしい。 「第1番」と共に「叙情感」をたっぷりと聴かせる彼女のヴァイオリンの響きにウットリとしてしまう。 尚、彼女がこの録音で使用したヴァイオリンは「グァルネリ・デル・ジェス」(1735年)である(写真2  クロエ・ハンスリップ「ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第3番ほか」マルティン・ブラビンス指揮ロンドン響2002年録音、英WarnerClassics 0927-45664-2 / 写真3-同CD演奏時間等データ) 。
(つづく)

写真1    クロエ・ ハンスリップ-デビューアルバムCDジャケット(Warner Classics)

写真2    ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番・第3番ほか」クロエ・ハンスリップ(Vn) マルティン・ブラビンズ指揮ロンロン響(英Warner Classics-0927 45664-2)

写真3    写真2のCD演奏時間等データ