"hatakeshun"のひとりごと(バスで大阪トンボ帰り。 米寿の外山先生を聴く)

10日、久しぶりというか多分30年ぶりに大阪へ行った。目的は10日、米寿(88才)を迎えた指揮者&作曲家、外山雄三先生の「第9」を聴くためである。
1960年、NHK交響楽団は世界一周の演奏旅行をした。 その時指揮者として同行したのが岩城宏之(1932〜2006)と外山先生である。 オーケストラの世界一周演奏旅行としては1959年のカラヤン、ウィーンフィルに次ぐものだったという。

なぜ、小生が外山さんを先生と呼ぶか? それは中学生時代からの憧れの指揮者であると同時に外山先生の言動が他の指揮者と次元が違うからである。 外山先生はご自分の作品や指揮法について黙したままである。 その根底にあるのは「音楽は音で表現するものであり、自分の音楽に興味があるのであれば聴けばよい」と突き放す。 活動の場も東京中心ではなく大阪にある大阪交響楽団を主に指揮している。
年金生活の身である。 新幹線に乗るなど勿体ない。 東京発7:10のバスに乗る。 快晴。 足柄サービスエリアで富士山がクッキリ。 夕刻16時40分大阪着。 コンサートは19:00からである。 大阪城見学。 天守閣がクッキリ。

コンサートは「ザ・シンフォニーホール」で行われた。 このホール、恐らく日本一、世界一ではないだろうか。 残響を優先し、座席数は1704席。 このホールに響いた外山先生の「第9」は誠にスケールが大きく厳しいものだった。 先生は一時間半、立ったままで指揮を執った。 下半身は微動だにしないが、上半身はダイナミックに動き、楽員と合唱団を奮い立たせた。 外山先生の演奏を大阪だけではなく、東京は勿論、日本、世界の音楽ファンに聴いて欲しい・・・。
22:45、東京行きの夜行バスはJR難波を出発した。