“hatakeshun”のひとりごと(辻本 簾さん(NHKサウンドエンジニア)の思い出 その4)
〜2008年「カラヤン生誕100年番組制作〜
2005年末、辻本 簾さんが執筆した「ステレオ放送80年の歩み」が掲載された「伝説のクラシックライヴ」(TOKYO FM出版)が発刊された。 この頃、辻本さんは番組制作のかたわら放送音源をDVD化する仕事に携わっていた。
2006年6月26日、小生が辻本さんに宛てたメールである。
辻本 簾様
カラヤン/ウィーンフィル1995年・日本特別演奏会のDVD早速購入し、感動に浸っております。 まず、音の素晴らしさに驚きました。 NHKさんの技術によって素晴らしい音声が映像と同期され、カラヤンとウィーンフィルの名演がDVDとして蘇ったわけです。 このコンビが最も輝いていた時の記録です。 なんと力強く生命力に富んでいることでしょう。 世界の音楽史に残る快挙です。 一番このDVDを見せたかった人、それはカラヤンです。 彼は録音再生技術に詳しく日本の技術力を高く評価していました。
後半のニュース映像も貴重です。一行の国賓並みの扱い、エリエッテ夫人の美しさ、どれをとっても瞠目してしまいます。
この映像は小生にとっても思い出深いもので自分史にも書きました通り高校3年の時のできごとでした。
続いてリリースされるミュンシュ・ボストン響のDVD楽しみにしております。
畠山俊三
2008年4月3日、辻本さんからメールをいただいた。
畠山様
辻本です。大変ご無沙汰しております。
お元気でお過ごしのことと思います。
さて、以下のように少々周辺に変化がありましたので、近況とお知らせを織り交ぜて、ご連絡いたします。
〇4月1日をもって(株)NHKテクニカルサービスと(株)NHKコンピュータサービスが合併し、(株)NHKメディアテクノロジー(略称MT)として再出発いたしました。 私は、今年の8月末の本当の退職まで、肩書も担当業務も変わりません。
〇4月5日(土)にBSハイビジョン放送(BSデジタル放送103ch)で
- 9:00~12:00(180分)
- 16:00~19:00(180分)
- 20:00~01:00(300分)
の合計11時間にわたって放送予定の、「まるごとカラヤン~生誕100年記念・その人と音楽大全集」の中で、1~2分だけ、恥ずかしながらロケ出演する羽目になりました。 多分、第1部の開始後約1時間余り経過した部分かと思いますが、カラヤンが生涯にわたって7回も録音を繰り返したチャイコフスキーの「悲愴」の一部について、ダイナミックス(強弱の幅)の変化を、測定データをもとに“ぼそぼそ“としゃべっております。
*以下、次回に続く。
辻本さんは残念ながら2017年3月亡くなられた
*写真は放送に映った辻本さんを小生が撮影したものです