”kazu"のひとりごと(SPレコード雑感 12、カラヤン の夢)

〜 ヘルベルト・フォン・カラヤンの夢 〜

カラヤンは是か非か?とカラヤンが現役時代には喧しい議論の対象でした。 本格派?を自認する音楽ファンはカラヤンの通俗性を厳しく批判しました。 流麗な演奏の音楽も中身の無い音だけの価値のない物だと手厳しい非難の対象となりました。 対極にあるのがヴィルヘルム・フルトヴェングラーの演奏でした。 演奏の精神的な深さはカラヤンの比ではないと尊敬されたのです。 さらに1970年代にはカラヤンを「コカコーラだ」と言ってのけたセルジュ・チェリビダッケの登場もカラヤンを批判する人達の後ろ盾になったのです。
大量のレコードを作り売りさばき高性能スポーツカーを所有し自家用ジェット機を操るカラヤンはもはや芸術家でも音楽家でもないただの守銭奴だと聞くに堪えない論調まで起こる始末でした。
そして、カラヤンの残した大量の録音は彼がいなくなるとともに価値がなくなり忘れ去られて行く運命にあると言われていました。
ところがどうでしょう、未だにカラヤンのCDは売れています。 私達ゲヴァントハウスが協力させてもらい発売された1966年来日公演の一連のCDも順調に売れているそうです。 もちろんデジタル録音された晩年の作品群も需要があるのです。
常に最先端の技術を使い自身の音楽芸術を最良の録音形態で永遠に残したいと願ったカラヤンの夢は満たされたのだと思うのです。 いえ、カラヤンは単にその時代その時代の一番「音」の良い録音方式を選んだだけで、永遠に残したいなどと思っていなかったのかもしれません。 それでも、心のどこかで残したいと願ったに違いないとおもいます。
録音技術の進歩発展は絶え間なく続き今日に至っています。 最先端の技術を追い求めたカラヤンもSPレコードが最先端であった時代があったのです。
えっ! カラヤンのSPレコード!? そうです、SPレコードファンやSPレコードに精通している方々には常識ですが、カラヤンのSPレコードの存在は珍しくもなんともないものです。
今回ご紹介するのは日本国内プレスのコロンビアのカラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のJ・シュトラウス「皇帝円舞曲」です。 SP時代のカラヤンなんて、最新鋭の録音を残している事からちょっと考えられないのですが、実はあるのです。
機会があればお聞き頂ければ幸いです。 あなたの感想や如何に!

カラヤンの似顔絵入りSP盤のレーベル!