"kazu"のひとりごと(SPレコード雑感13、裏面の芸術)

以前に片面のみ溝が切られて裏面はのっぺらぼうのSP盤をご紹介したことがあります。 録音面はA面のみでB面はただの平たい円盤です。 覚えておいででしょうか。 その時に紹介した様に単にのっぺらぼうの黒い円盤に見えるだけの物もありますが、そうでないものもありますのでその内ご紹介しますと言ったきりになっておりました。

今回ご紹介するのはただの平らな円盤ではなく、なんとデザインを施した溝無しB面のSPレコード盤です。 しかも、社名の入った曲目などの無いレーベルを丁寧に張り付けて製作しています。 こうしたデザインを裏面に施すためにはSPレコード制作時に型を用意してプレスする訳ですから型代がかかります。こんな凝った作り方をすると最初にご紹介した黒いのっぺらぼうの円盤にしか見えない盤よりかなり製作費用は上がるはずです。

昔はこうした音楽とは関係ない飾りにも力が入っていたのですね。遊び心も感じられて心が和みます。裏面に施された芸術と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、見事なものだと思います。今はこの様に工業製品に遊び心を入れる余裕が無いのでしょうか?機能優先で使う人の気持ちを顧みない製品ばかりの様な気もします。

78回転で回るSPレコードはなんとなくせわしなく感じますが、実は少しもせわしない事がなく、逆に人間的な余裕があるのではないかと思ってしまいます。
人類は裏面のデザインを眺めながら少しは反省した方が良いような気がしますと大げさな話になってしましました。