kumachanのひとりごと(オーディオ漫遊記 1)
〜 秋田からアナログレコード周辺事情の便り 〜
「真空庵」とは我が仮住まいのオーディオルーム、草庵です。 銘を「真空庵」と名付けました。 茶の湯の世界で草庵とは、粗末な庵(いおり)の意味です。 室町〜安土桃山時代の戦国大名などによる闘茶と呼ばれた贅を尽した茶の湯の潮流に一石を投じ、禅の境地に立脚した喫茶のスタイルを村田珠光や千利休らが完成させたのが侘び茶。 一客一亭を基本にした2畳から4畳半程の質素なしつらえの茶室が草庵です。 kumachanの真空庵は6畳の洋室、ここにオーディオ機器、レコードがビッシリです。 動けるスペースは3畳程、正に草庵です。 茶道の先生に入門し20年が過ぎた今年、茶名を頂く申請をしました。
物忘れが最近多くなりましたので日記がわりのメモを残す事にします。
アナログレコード再生の沼に、只今どっぷり浸かっております。 秋田県由利本荘市にある「ESIエレシステム」社のオーディオ機器に魅せられており、ここ最近の真空庵のオーディオ事情をお知らせしたいと思います。 休日の昼下がりのコーヒータイム、心地良くレコードを聴くお時間をご一緒できたらと思います。
お正月に納戸の奥に押し込んでいた、使っていないオーディオグッズを整理していたら、10年ほど前に知人から頂いていた真空管式の組み立て済みのフォノイコライザーが出てきました。 長年使用してきたオペアンプ式のドイツ製フォノイコライザーですが入力コネクターへねじりの負荷を掛けたようで、アースが浮いた様なノイズが出る様になってしまいました。 ピンジャックの基盤部の半田が外れて補強修理が必要な状態でしたので代替えになる物を探していました。 そこでこの機会に気になっていたESIのフォノイコライザー(MCヘッドアンプ付き)のオーダーを決めまし た。
真空管式が本来のESIサウンドだと思いますが、真空管式のトーンコントロール付きプリアンプの増幅モジュールとオペアンプ式増幅モジュールが極似の出音だったので、今回は緊急性もあるし、コストも抑えられるオペアンプ式で組んでもらう事にしました。 2週間待って組み上がったオペアンプ式フォノイコライザーは「EA-101 F」。
最初の音出しで圧倒的な押し出しの強さ、張り、艶がある再生音には度肝を抜かれてしまいました。 真空庵には、調子の悪くなったフォノイコライザーの他に2機種あります。 試しにテストレコードで20〜20,000hzのサイン波スイープ信号を トレースし、波形を記録してみました (efuさん作 フリーウェアWaveSpectraを使用)。 F特性グラフ4点公開いたします。 図1がESIのフォノイコライザー(DJ向きのMM型カートリッジ)、図2が他社製品(DJ向きのMM型カートリッジ)、図3がESIのフォノイコライザー(代表的なMC型カートリッジ)、図4が他社製イコライザー(代表的なMC型カートリッジ)となります。
テストレコードに記されているイコライジングカーブは一般的なRIAAカーブとも違う様ですが、実際収録できたデータを見る限りは、明らかにESIの製品を使用した際のF特の振舞い、特に高域の落込みが少ないのがMM、MC共に良く分かり ます。 このF特の違いがエネルギー感溢れる音質に影響していると考えられます。
レコード再生に何か足りないと、モヤモヤした気持ちになる事が実は過去に度々ありました。 でも、これで不満の種は消えました。 あー、やっぱ りこれも「もう外せませんパート3」になっちゃいました!
ESIのトーンコントロールの卓越した技術と思想が込められた製品で音楽を楽しむ 事ができて、日頃の疲れやストレスが溶けていきます。 今回私が試したフォノイコライザーも驚くべき高性能でした。
DSD形式のファイル再生が出来る環境が最近整いました。 手持ちのアナログレコードと同じ音源の生まれの物もありますので、較べてみると、良い音には違いないのですが何かイマイチな感じです。 USBDACはPCMオンリーのRME社baby face proを使用し、ある程度の満足感はありましたが、この機にDSDネイティブ対応の評判の良いDAC topping E30を新たに入手してみました。 なるほどこのフォーマットはアナログに近い。 1bitのDSD形式の再生を推している方の気持ちがよくまかりました (納得)。
今日のコーヒータイムのレコードは、アートガーファンクルのベストアルバム「天使の声/グレイテスト・ヒッツ」1984年リリースCBS Sony国内盤です。
さて今日のコーヒーは秋田県南端の町、湯沢市雄勝町小野字東古戸に店を構える コーヒー焙煎のお店バルーガさんの定番豆ダテーラ農園のブラジルです。 店頭に出ているのは結構酸味を残した浅煎りですが、1.5キロの豆をオーダーすると希望の濃さにローストを変えて貰えるので、甘めのケーキに合う様、中深煎りにして貰いました。 やっぱり美味しいです。 いつまでもこの味出し続けて 下さいね、渡辺社長!
久々に仕事を忘れてゆっくりESIアンプでレコード を堪能できた1日でした。 ハイレゾの強みも付け加 えておきます。
チャイコのオーディオファイルのど定番大序曲「1812年」カンゼル指揮/シンシナティ 交響楽団TELARCDIGITALドイツ盤のレコードとの比較ですが、言わずと知れた大砲の大号砲連発の部分で針跳びを起こすか、大丈夫か?? この対決では、アナログの限界が見えてしまいました。 ハイレゾ音源は余裕たっぷりでした。 大振幅のレコードの音溝から針が跳ね上がる事はありませんが、カンチレバーの可動域を超えるのか、共振が飽和するのか、音楽信号以外の付帯音が付きまとう感じがするのでした。 カートリッジをDL103からハイコンプライアンスの物に換え、適正針圧を探れば回避する事が出来るでしょうがそこまでの時間が取れませんでした。 またの機会にお預けと致します。 デジタル、アナログ各音源、スピーカーや部屋の大小、壁床天井素材の吸音・反射が色々 様々の環境でも高性能なESIトーンコントロール機能で補正すれば、まず好みに合う調整が出来ます。 今ある音源から 聴いたことのない美音の存在を発見出来ますので。