”Roundone”のひとりごと(真空管への回帰)

ある日ネット検索でTANNOY ⅢLZを目にした。 もちろん未だ人気のある有名機種であることは分かっていたがその日に限りやけに脳裏から離れない。 これでレコードを聴くとさぞかし良い音が出てくるのだろうなと想像を膨らませる。 そうなると市場の在庫探しをしたくなってしまう。 中古ショップ、ネット・オークションをしらみつぶしに調査する。
上物で40万円が相場のようだ。 これはオリジナル箱、MonitorGold 10inchでの価格。
地元の中古ショップにはないがけっこう出回っているようだ。 金曜日退社後久々に中古オーディオショップを訪ね店主と長話し確認したい点を聞いてみた。 市況、品質の見極め、アフターケアはショップが安心できるということだった。
さてこのショップに在庫はなかったのだが、せっかく来店してくれたというのでオートグラフのユートピア箱、MonitorGold 15inchを鳴らしてくれた、最初はCDでバロック、次にレコードでオペラ。 さすがプロのショップだけあってなんともいえないまろやかで蕩けるようなサウンドである。 自宅の同機とMonitorが違うのでそのせいかと一瞬思ったが、何か違うぞと不吉な予感が襲ってくる。 そしてその答えはMcIntoshの真空管アンプであった。McIntoshについては使用経験がなくまたその価格には目玉が飛び出した。
真空管アンプは30年以上前にLuxmanを使用していた。 SQ38FD、CL35、MQ36、遠い記憶が蘇ってくる。 そうだよなあ、昔はこれらのアンプでレコードを聴いていたんだよなあと懐かしくなる。 この日を境にⅢLZはターゲットではなくなった。 もう一度真空管アンプへの回帰がテーマになった。 手短に行くにはMcIntoshではなくLuxmanと決めた。 しかし現行品はどれもスペックが少し足りないように感じてしまう。 こうなったら自分の原点回帰のつもりでSQ38FDmark2完全メンテナンス修理完了機をショップで購入した。 当時の定価のン倍の価格であった。
10連休中にセッティング、試聴開始。 結論から書くと大正解であった。 愛聴盤のひとつ、グルダ、アバド、ウィーン・フィルのモーツアルト ピアノ協奏曲第21番(DG レコード)を一番初めに針を落としたが出だしの低弦の開始第一音からホール音が響いてくるのである。 EMT XSD-15との相性もばっちり決まっている。 CDを聴くにあたってはプレーヤーをDENONの最近のモデルではなく古いS10Ⅲを押入れから引っ張り出し繋いでみた。 これもどうやら正解のようでバリリ弦楽四重奏団のモーツァルトのモノラル録音など弦の潤いが蘇ってきたようだった。 恐るべし真空管アンプの倍音再生効果。
Tr-アンプで大音響まみれになるのも悪くないが現在早くも次の真空管へのステップを考え始めている。 真空管アンプもセパレートにしなくてはいけないのではないか、と。
ピアノでもヴァイオリンでもより湿った音色、濡れた音色が欲しいと思い始めた。
ここしばらくはせっせと昔収集したレコードを洗浄しショップを巡り銘機を体感しよう。
そして例会参加日は当然秋葉原での探索だ。時間を忘れて例会に遅刻しても大目に見てください。