"Shimi=Kin"のひとりごと(リエージュの皇帝ティトゥスの慈悲)
近頃はインターネットのサイトをパソコンからオーディオに接続し、曲や映像を楽しんでいる。「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」は膨大な量のCD音源を聴くことができるが、有料で会員登録が必要である。
最近たどりついた無料のサイトに「オペラ・オン・ビデオ」(www.operaonvideo.com)がある。この中にLa clemenza di Tito 2019 の公演を見つけた時は思わずハットなった。 今年の5月にベルギーに旅行した時に観たリエージュの王立ワロニー歌劇場のものであった。 ティトゥスK621は魔笛K620と同時期に作曲されたものだが、上演される機会は少なく、私も初めて生で観る作品であった。 ケルテスのデッカ録音のLPレコードを聴き直し、レヴァインのDVDから主要人物、物語りのあらすじを予習しておいた。 ワロニー歌劇場の舞台は退屈なローマ古典劇をキャッツかライオンキングを観ているように変えていた。 エネルギッシュな演技と熱唱が続いた。
数日後、同じサイトにTristan und Isolde 2019 を見つけさらに驚いた。 前日にブリュッセルのモネ劇場で観た公演であった(残念なことに主役の歌手が違う日のものだった。しかし非常に画質がよいので視聴をお勧めします)。 このオペラ史上の傑作には巨匠、名歌手の録音、バイロイトの映像、新国立劇場の公演に接してきたが、モネ劇場のイゾルデは健気ないい女の印象であった。
旅行中に観た公演をこんなにもすぐに画像でみなおすことができるとは思ってもいなかった。 思いがけない贈り物がベルギーから届いたような気分である。 今年のヨーロッパひとり旅は得したような嬉しい思い出となった。(Shimi=Kin)