”kazu"のひとりごと(SPレコード雑感 9、名ピアニスト カットナー・ソロモン)
〜 名ピアニスト カットナー・ソロモン 〜
本日はカットナー・ソロモンのハイドンのピアノソナタに(鉄)針を下ろしてみます。 カットナー・ソロモンはイギリス・ロンドの生まれのピアニストです。 1902年生まれですから天下のホロヴィッツと同世代です。 1988年まで存命でしたから、これもホロヴィッツとほぼ同じ時代を生きたピアニストです。
しかし、その名前を聞いたことのない人もたくさんいると思います。 時代的には立派な? デジタル録音も残せる世代でしたが、ソロモンにはかないませんでした。 1956年頃に脳梗塞で手が麻痺してピアノの世界から消えていったピアニストだからです。
何より卓越したベートーヴェンのピアノソナタの演奏で名を成したピアニストです。 誠に残念です。 病気さえしなければ実際の演奏を聴くチャンスがあったのですから。
ベートーヴェンが得意と言う事は当然? ハイドンも素晴らしい演奏を聞かせてくれると言う事で、本日はハイドンのニ長調のソナタをご紹介します。
演奏も良いのですが、音がなかなか良いのです。 手元にあるSP盤の多くは日本製の比較的新しいものが中心ですが、このSP盤はイギリス製です。 イギリスのピアニストの演奏をイギリス盤で聴くと言うのもまた風情があります。
ニッパー君も納得の演奏ですね。 実は海外盤の方がやはり・・・音が良いのです。 なぜなのでしょうか? 日本のプレス技術が劣っていたとは思えませんが、遥かな昔はやはり日本の技術はまだまだ未熟だったのかもしれません。
今でも根強い舶来品信仰が一部では残っている様に思いますが(もしかしたらブランド信仰に移行した?)昔は舶来品と言ったら雲の上の存在に近かったようです。 舶来品がまだまだ神通力を持っていた時代の一枚でした。
ソロモンの演奏はCDでも復刻盤が出ています。 お聞きになるのも良いと思います。