第18回「<東京の夏>音楽祭 2002」を小澤で聴く
〜 小澤征爾のベルリオーズ「幻想交響曲」と「レリオ」を聴く 〜
2002年7月2日、サントリーホール(東京の夏オープニングコンサート)
「<東京の夏>音楽祭」は作曲家-石井眞木、ピアニスト-江戸京子、音楽学者-船山隆の3氏の企画・構成により1985年から開催された国際音楽祭である。この記念すべき「第1回<東京の夏>音楽祭1985」は「音楽・エキゾティシズム・オリエンタリズムー西洋音楽の熟成と変換」をテーマに7月4日から24日まで著名な音楽家を迎えて開催された(写真1 「第1回<東京の夏>音楽祭・フェスティバル・マガジン表紙/写真2 「企画・構成にあたって」(フェスティバル・マガジンから)。因みに当時開催された「つくば科学万博’85」にも2つの公演が参加大好評だった(「打楽器の饗宴’85 in つくば」(7月9日)/「ハイブリッド・オーケストラ’85 in つくば」(管弦楽:早稲田大学交響楽団(ゲストコンサートマスター)安永徹 指揮:高関健 7月24日 会場:両公演ともエキスポプラザ)。また「ハイブリッド・オーケストラ」の「つくば万博」での特別公演は音楽祭のフィナーレを飾った(写真3 「ハイブリッド・オーケストラ」公演チラシ/写真4-企画・構成の三氏連名で頂戴した賀状(1985年))。その後「<東京の夏>音楽祭は毎年オリジナル・テーマをかかげ開催されたが2009年の「日本の声・日本の音」をテーマにした第25回開催もって終了となった。
今回は四半世紀に渡る公演の中で特に印象に残った第18回「東京の夏」(2002年)のオープニングコンサート7月2日公演“小澤征爾のベルリオーズ「幻想交響曲」と「レリオ」”を今回は取り上げてみたいと思う(写真5 2002年「東京の夏」オープニング公演チラシ)。指揮者の小澤征爾はベルリオーズを大変得意とし若き時代からよくコンサートで取り上げていた。筆者も学生時代、今から半世紀近く前になるが彼の「日本フィル」時代に日本語上演によるこの組み合わせによる演奏を聴いた記憶がある。しかし今回は原語(フランス語)上演(字幕スーパーつき)である。作曲者ベルリオーズは「幻想交響曲」を取り上げる際には続編のこの「レリオ」を組み合わせ演奏してほしいと云っていたそうだがなかなか現実は難しいようである。今回は語りに名優フランス生まれのヴェルノン・ドブチェフが出演、巧みな語り口で主役レリオを見事に演じきっていた。この年の小澤征爾は秋からウィーン国立歌劇場音楽監督に就任することになっていた。当時67歳を迎えるエネルギッシュな彼の指揮で聴く「幻想交響曲」とめったに生で聴く機会がない続編の奇怪なモノドラマ「レリオ」に私は完全に呑まれてしまったようだ(写真6 2002年「東京の夏プログラム」表紙/写真7 「オープニング公演出演者」)/写真8 2002年「東京の夏」オープニング公演チケット」。