「私の昭和歌謡レコード史」(13)
1970年代半ばに入るとシンガー・ソングライターによるニュー・ミュージック系の曲も目立ちはじめる。 とりわけ1975年にリリースされた「荒井由実(現、松任谷由美)」の「あの日にかえりたい」はまさににこのジャンルの代表的な1枚だったと思う(写真1 荒井由実「あの日にかえりたい」初出盤シングル・ジャケット、東芝EMI-エキスプレスETP-20174)。 この曲は当時のテレビ・ドラマの主題歌としても使用された。
また歌謡曲分野ではこの年の年末にリリースされた「都はるみ」の「北の宿から」(阿久悠作詞・小林亜星作曲)がミリオン・セラーになり翌1976年の「日本レコード大賞」を受賞した(写真2 都はるみ「北の宿かた」初出シングル・ジャケット、コロムビアAA-167)。
続いて「山口百恵」の大ヒット曲となった「横須賀ストーリー」(阿木燿子作詞・宇崎竜童作曲)も忘れることができない(写真3 山口百恵「横須賀ストーリー」CBSソニー06SH 15 1976年)。 彼女にとってもこの作品は大きなターニング・ポイントとなったと伝えられている。
翌1977年は「石川さゆり」の「津軽海峡・冬景色」が大ブレーク、この曲でこの年の「日本レコード大賞―歌唱賞」をはじめとして数々の音楽賞を受賞した。 彼女もこの作品の大ヒットをきっかけに次々とヒット曲を連発、やがて女性演歌歌手を代表するひとりとなった(写真4 石川さゆり「津軽海峡・冬景色」初出盤シングル・ジャケット、コロムビアAK-43)。
さらにこの年は日本の“社会現象”にもなり一世を風靡したデュオ・アイドル「ピンク・レディー」も記憶に残る。 彼女たちの代表曲のひとつ「渚のシンドバッド」(阿久悠作詞・都倉俊一作・編曲)はミリオン・セラーとなった(写真5 ピンク・レディー「渚のシンド・バッド」初出盤シングル・ジャケット、ビクター SV-6229)まさに「ピンク・レディー」旋風が起きた時代でもあった。
(つづく)