アンセルメ＆スイス・ロマンド管のベート―ヴェン

20世紀の巨匠エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet/1883～1969)のレパートリーは大変幅広く今回スポットをあてるベートーヴェンも創設からほぼ半世紀に渡り音楽監督を務めたスイス・ロマンド管弦楽団と交響曲全曲をステレオ録音で英デッカに1960年代初頭にかけ完結している。　とりわけ紹介盤「交響曲第3番 ”エロイカ”」は個人的にも好きな演奏の一つでこの国内盤LPジャケットの絵画も気に入っている (写真1　LPジャケット、キング-ロンドンSLC 1247/1963年リリース盤/写真2　LPレーベル面）。　ちなみにジャケットに使用された絵画は18世紀フランス、ロココ時代の画家ジャン-バプティスト・シメオン・シャルダン(Jean-Baptiste Siméon Chardin/1699～1779)の油彩画である。
余談になるがアンセルメ初来日の1964年6月NHK交響楽団第448回定期公演ではベートーヴェン「交響曲第7番」を取り上げている (写真3　第448回N響定期公演プログラム表紙/写真4　第448回定期での演奏曲目）。　尚、プログラム注釈によればプログラム右上掲載写真は左から若かき日のアンセルメ、ディアギレフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ（1927年ロンドン撮影）。　ストラヴィンスキー「プルチネルラ」とプロコフィエフ「道化師」をディアギレフの振り付けで上演した時の貴重な記念写真とのことである。

写真1　LPジャケット（キング-ロンドン SLC 1247）

写真2　LPレーベル面

写真3　1964年6月NHK交響楽団第448回定期公演プログラム表紙

写真4　第448回定期演奏曲目