アンドレ・クリュイタンス/ モノラル録音名演集
今回はこれまでも何度か取り上げてきた「アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens)」の1950年代モノラル録音名演集(CD BOX)にスポットをあててみたいと思う。 これは以前紹介したドイツのメンブラン(Membran)よりFABFOURというレーベルで4CDセットでリリースされた。 どれも今から60年以上も前の録音だが音質がとても素晴らしいことに先ず驚いた (写真1 4CD BOXジャケット、独FABFOUR LC12281)/写真2 CD BOX収録作品と演奏データ)。 とりわけ筆者が注目したのはCD-1のライブ録音、クララ・ハスキルとのモーツアルト「ピアノ協奏曲第24番」とイギリスの伝説のピアニスト、ソロモン・カットナー(Solomon Cutner)とのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番」である。 ソロモンはベートーヴェンのスペシャリストで1953年に来日公演も行ったがその3年後脳梗塞のため引退を余儀なくされ演奏活動の期間も短かったためこの「第2番」の録音も大変貴重なものとなった。 また「神童ソロモン」とも呼ばれたためファースト・ネームの「ソロモン」で活躍していたのでこのCDでも「Solomon」の記載になっている。 ちなみに「モーツアルト」が1955年、「ベートーヴェン」が1952年の録音である。 そのほかこの名演集で一番録音が古い1950年録音のフォーレ「レクイエム」も1962年のステレオ録音に優るとも劣らない演奏である(写真3 CD BOX-4CD紙ジャケット)。