インバル&読響でブル8(ノヴァーク版第1稿)日本初演を聴く、1998
インバル&読響-ブルックナー交響曲第8番(ノヴァーク版第1稿)日本初演を聴く
~1998年7月7日、サントリーホールにて~
エリアフ・インバルが指揮するフランクフルト放送交響楽団による「ブルックナー交響曲第8番」のノヴァーク版第1稿(1887版)のライヴ録音がNHKFM放送で紹介されたのは筆者の記録によると1983年11月23日のことだった。この演奏は「フランクフルト・アルテ・オパー」(写真1 2002年9月筆者撮影)における1982年9月22日の世界初演のコンサート・ライヴであった。彼は並行してこのコンビで「第3番」・「第4番」・「第8番」の「第1稿」による世界初のレコード録音(写真2・3・4)も行い1988年には全集録音を完結、彼の名声を一挙に高めた。しかしこの「版」による「第8番」の日本初演はそれから16年後の1998年7月の「読売日本交響楽団」との共演まで待たねばならなかった (写真5 「第8番」1887年ノヴァーク版第1稿スタディ・スコア表紙<国際ブルックナー協会版ウィーン>)。
インバル指揮による待望のこの「第8番」のコンサートは1998年7月7日・8日両日「サントリーホール」で開催され筆者は初日の「特別演奏会」に足を運んだ。現在一般的に演奏される1890年の「ノヴァーク版第2稿」や「ハース版」との大きな違いは「1887年第1稿」は基本的に2管編成(終楽章のみ3管)をとり第2稿では全曲3管編成である。また細かい点は別にして一般的に耳にする「第2稿」や「ハース版」では第1楽章のコーダが静かに消えゆくように終わるのに対しこの「第1稿」ではコラール風の強烈なフォルテシモで終わる。また第2楽章でもトリオの部分は別物になり曲想も大きく異なる等々興味はつきなかった。写真6は当日会場で配布された「ブルックナー交響曲第8番へのお誘い小冊子、宇野功芳 著」」である。コンサート終了後インバル氏のサインを求め楽屋口へ向かったところこの日はインバル氏の楽屋まで案内され、先のLPレコード・ジャケットに丁寧にサインを入れて頂いた。写真7は当日インバル氏の楽屋で撮影した記念のスナップ、写真8は当7月7日公演チケットである。