エリカ・モリーニのブラームス&チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」
今回も半世紀あまり前の筆者が高校時代の話である。 1960年代後期にキング・レコードからリリースされていた「ウェストミンスター」レーベル廉価盤、当時確か1枚1500円だったと記憶しているがウィーン出身の名女流ヴァイオリニスト「エリカ・モリーニ(Erica Morini)」が弾くブラームス&チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のレコードを買い求めた。 激情的な指揮者として知られたアルトゥール・ロジンスキ(ArturRodzinski)、管弦楽はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団である。 レコード棚から当時のLP盤を探したのだが見つからなかったので2000年代になって求めたデジタル・リマスター化された写真のCDを紹介したい (写真1 エリカ・モリーニ「ブラームス&チャイコフスキー”ヴァイオリン協奏曲“」CDジャケット、米UNIVERSAL 289 471 0200-2)。 この録音は1956年9月、ロンドンのウォルサムストウ・アセンブリー・ホールのセッションで指揮者ロジンスキの数少ないオリジナル・ステレオ録音でもある。 またこの録音で特に印象的だったのはモリーニがブラームスのヴァイオリン協奏曲「第1楽章」のカデンツァを普段聴きなれたヨアヒムではなく珍しいフーゴ・ヘールマン(Hugo Heermann)のものを弾いているところもなかなか粋である (写真2 CD演奏データ/写真3 CD録音データ)。