オーストラリア大陸横断鉄道-豪華寝台列車"ザ・ガン"の旅(1)、1993年2月

広大なオーストラリア大陸を横断する豪華寝台列車ではシドニー ⇔ パース間約4,000Kmを3泊4日で走る「インディアン・パシフィック」とアデレード ⇔ ダーウィン間約3,000Kmを2泊3日で走る「ザ・ガン」の2つが世界の鉄道ファンの人気の的である。 自称「乗り鉄」の筆者も若い頃からこのどちらかに一度は乗車してみたいと思っていた。
もう四半世紀余り昔の話になるが非常に予約が取りにくい「ザ・ガン」の1等寝台個室がラッキーにも入手でき少々長期の休みを取り実際に乗車体験できる機会を得た。 しかしこの当時はまだ「ダーウィン」までの全区間は開通しておらず大陸ほぼ中央に位置するノザーン・テリトリー地区の「アリス・スプリングス」が終点であった。 因みに「ダーウィン」までの全線開通は2004年2月だったと記憶している(写真1 「オーストラリア鉄道路線図」-赤線部分が乗車区間)。
この列車の南の起点は南オーストラリア州の州都「アデレード」である。 オーストラリアの文化と芸術の都としても知られ「アデレード・フェスティバル・センター」は隔年で開催される「アデレード芸術祭」のメイン会場である(写真2  「アデレード・フェスティバル・センター」、1993年2月筆者撮影)。 また「南オーストラリア州立美術館」(写真3  1993年2月-筆者撮影)もオーストラリアン・アートが楽しめる。 また鉄道好きな筆者は当時レトロな「トラム」が市内から美しいビーチ「グレネルグ・ビーチ」までの約10kmを走り結構楽しめた(写真4  「レトロなトラム」(グレネルグ・ビーチ/1993年2月筆者撮影)。
いよいよ「ザ・ガン」に乗車する2月18日を迎えた。 列車が出発するターミナル駅は街の中心から少し離れたところに位置する。 まずターミナル駅のチェック・イン・カウンターで乗車手続きを済ませ午後2時の出発時刻を待つ(写真5  長距離列車ターミナル駅チェック・イン・カウンター(筆者撮影)/写真6  荷物タッグ/写真7  アデレード・ターミナルで発車を待つ「ザ・ガン」、筆者撮影)。 列車は定刻の午後2時ゆっくりとアデレード後にした。 終着の「アリス・スプリングス」には翌朝午前11時到着予定でおよそ21時間の列車の旅である。 1等寝台個室の設備は洗面・シャワー・トイレ、オーディオ等々が完備され夕食と翌日の朝食もチケット代金に含まれ指定時刻に食堂車で取ることができる(写真8  「オーストラリア鉄道チケット・カバー」/写真9  当時の-夕食・朝食メニュー表紙/写真10  同、日本語によるメニュー)。 また連結された「ラウンジ・カー」でもゆっくりくつろぐことができる。 列車はアデレードを出て約4時間後「ポート・オーガスタ駅」で約1時間弱停車、筆者もホームに出て気分転換した(写真11 ポート・オーガスタ駅停車中の「ザ・ガン」、筆者撮影)。 ポート・オーガスタを出発後指定された時刻に夕食を取り終えたころようやく長い夏の陽も傾きはじめた。 やがて夜の帳がおり車窓からは天然のプラネタリウムを楽しむことができた。

(つづく)

写真1  オーストラリア鉄道路線図(赤線部分が乗車区間)

写真2    アデレード・フェスティバル・センター(筆者撮影)

写真3    南オーストラリア州立美術館(筆者撮影)

写真4    レトロなトラム(グレネルグ ビーチ、筆者撮影)

写真5    アデレード長距離列車ターミナル駅チェックイン カウンター(筆者撮影)

写真6    荷物タッグ

写真7    アデレード・ターミナルで発車を待つ「ザ・ガン」(筆者撮影)

写真8    オーストラリア鉄道チケット・カバー

写真9    当時の夕食・朝食メニュー表紙

写真10    日本語による夕食・朝食メニュー

写真11    ポート・オーガスタ駅停車中の「ザ・ガン」(筆者撮影)