カール・シューリヒト最後の録音

カール・シューリヒト(Carl  Schuricht /1880-1967)はウィーン・フィルとも関係が深く彼のシャープでテンポを速めにとりそのスタイリッシュな演奏に定評があった。 レコーディングも「EMI」「デッカ」をはじめとして数多く残されているが今回は生涯最後の録音となった「ブラームス交響曲第2番」のLPを紹介したいと思う。
シューリヒトのブラームス第2番と云えば昔はウィーン・フィルとの名盤、1952年モノラル・セッション録音(写真1  1974年リリース-キング国内盤LPジャケットMZ-5131)によく針を下したことを思い出す。 今回紹介するLPはドイツのarchiphon(アルヒフォン)というレーベルから1990年代に限定リリースされたものである。 ジャケットにも記載されているように1966年3月16日、南ドイツ・シュトゥットガルト 放送局スタジオにおける放送用ステレオ録音である。 しかもこの録音が彼の生涯最後の録音となった。 管弦楽は当時「南ドイツ放送交響楽団(Sinfonie-Orchester des Süddeutschen Rundfunks)」と呼ばれた後の「シュトゥットガルト放送交響楽団」である(写真2  シューリヒト&南ドイツ放送響 / ブラームス交響曲第2番、1966年ステレオ録音、独archiphon LPジャケット ARC-HQ-001  / 写真3  同LPレーベル面)。 シューリヒト当時86歳、堂々と風格を感じさせる演奏、さらに放送録音なので音質も大変素晴らしい。 尚、全体の演奏時間は先の1952年ウィーン・フィル盤よりおよそ3分ほど遅い41分30秒となっている。

写真1    シューリヒト&ウィーン・フィル「ブラームス交響曲第2番ほか」LPジャケット(キングMZ5131)

写真2    シューリヒト&南ドイツ放送響「ブラームス交響曲第2番」LPジャケット(独archiphon-ARC-HQ-001)

写真3    シューリヒト&南ドイツ放送響「ブラームス交響曲第2番」、独archiphon LPレーベル面