クリュイタンス&ベルリン・フィル による二つの「田園」
アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens-1905~1967)&ベルリン・フィルによるベートーヴェン「交響曲第6番 ”田園”」のレコード録音は一般的によく知られる1960年ステレオ盤(EMI)と1955年モノラル盤(EMI)があるがどちらも甲乙つけがたい名演である。 前者ステレオ盤はクリュイタンスが1957年~60年にかけて完結したベルリン・フィル初の「ベートーヴェン交響曲全集」となった1枚である。 後者、旧録モノラル盤は名演ながらも世界初CD化も遅れ紹介盤、英TESTAMENT盤(2000年リリース)となったためかステレオ盤の陰に隠れてしまった感がある(写真1)。 またステレオ盤の録音会場が当時EMIがよく使用したベルリンのグリューネヴァルト教会(Grünewaldkirche)に対しモノラル盤は多目的劇場のヴィンターガルテン(Wintergarten)と異なることも個人的には興味深かかった(写真2 CD演奏・録音データ)。 尚、英TESTAMENTにはこちらも名演として誉れが高い同じく1960年ステレオ録音(EMI)のシューベルト「未完成」も収められている(写真2)。 紹介ステレオLPジャケットは「東芝音楽工業」時代1960年代中期リリース盤である (写真3 東芝エンジェル-AA 7041)。