コンサート・ホール・ソサエティ盤の魅力的ジャケットから(5)
・ピエール・モントゥー&北ドイツ放送響のベートーヴェンー
・フランコ・グッリ、モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第2番・第4番」
・ヨーゼフ・クリップス&チューリッヒ・トーンハレ管のドヴォルザーク「新世界から」
今回の「コンサート・ホール・ソサエティ盤の魅力的ジャケット」はピエール・モントゥー&北ドイツ放送交響楽団の「ベートーヴェン交響曲第2番・第4番」/ フランコ・グッリのヴァイオリン、アルマン・ジョルダン指揮コレギウム・アカデミクム・ジュネーヴ合奏団によるモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第2番・第4番」 / ヨーゼフ・クリップス&チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界から”」の3枚を取り上げてみたい。
先ずモントゥーの「北ドイツ放送響(現在:NDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団に改称)」によるベートーヴェン「交響曲第2番・第4番」は1959年の録音、時代も感じる音だが演奏はなかなか味わいの深い1枚である。 ジャケットのモントゥーを描いたイラスト画も気に入っている(写真1 モントゥー&北ドイツ放送響「ベートーヴェン交響曲第2番・第4番」、コンサート・ホールSMS 2332 / 写真2 同盤・レーベル面)。
2枚目はシニアの方ならご存じの方もおられると思うがイタリア、トリエステ出身の名ヴァイオリニスト「フランコ・グッリ(Franco Gulli/1926-2001)」が弾くモーツアルトの「ヴァイオリン協奏曲第2番・第4番」、アルマン(アルミン)・ジョルダンが指揮する「コレギウム・アカデミクム・ジュネーヴ合奏団(Collegium Academicum de Genève)」の演奏である。 ヴァイオリンのフランコ・グッリは1962年にレナート・ファザーノ率いる「ローマ合奏団」のソリストとして来日した記録がある。 また「コレギウム・アカデミクム・ジュネーヴ合奏団」は現在の「ジュネーヴ室内管弦楽団」の前身と思われる。 ジャケットはモーツアルト時代の「ミラベル庭園」を描いたものと思われる(写真3 フランコ・グッリ、モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第2番・第4番」、コンサート・ホールSMS-2766 / 写真4 同盤・レーベル面)。
最後はヨーゼフ・クリップス&チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によるドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界から”」、1961年の録音である。 こちらはオーソドックスな演奏が心地よい。後に知った話だがこの稲穂のジャケット・デザイン、筆者が所有する写真の右向きと左向きに垂れる2種類あるそうである。 もちろん「マトリクス番号」並びに音質も異なるようだ。 筆者は両者の盤を聴き比べたことはないがレコード・コレクターにとっては興味深い話である(写真5 ヨゼフ・クリップス&チューリッヒ・トーンハレ管/「新世界から」、コンサート・ホール SM-2224 / 写真6 同盤・レーベル面)。
(つづく)