ジェラール・スゼーの「デュパルク歌曲集」

ジェラール・スゼー(Gérard Souzay/1918~2004、写真1)はフランス近代歌曲を得意とするバリトン歌手として名声を博した。 今回紹介する アンリ・デュパルク(Henri Duparc/1848~1933)の歌曲集も英デッカにモノラル録音でジャクリーヌ・ボノー(Jacqueline Bonneau、Pf)とのステレオ録音では当盤(フィリップス/1960年前後)と「EMI(1971年録音)」にダルトン・ボルドウィン(Dalton Baldwin)のコンビで名盤を遺している(写真2 LPジャケット、国内盤フィリップスSFL-7673/写真3 LPレーベル面)。 デュパルクはセザール・フランクに師事、近代フランス歌曲の傑作を数多く書いたが37歳の頃から精神の病におかされ一切の作曲活動を断ち生前に破棄した作品も多い。 幸い遺された歌曲には代表作「旅へのいざない (L’invitation au voyage)」はじめどれも珠玉の作品が並ぶ。 このスゼーの最初のステレオ録音は彼の豊かな感性がまさにデュパルクの歌曲の世界に誘いこんでくれる。

写真1    ジェラール・スゼー(インターネット画像から)

写真2    ジェラール・スゼー「デュパルク-歌曲集」LPジャケット(国内盤フィリップス-SFL-7673)

写真3    LPレーベル面