スティーヴン・ビショップ・コヴァセヴィチ&オーストラリア室内管弦楽団
〜 ベートーヴェン「ピアノ協奏曲全集録音」(1988 ~ 1989録音) 〜
スティーブン・ビショップ・コヴァセヴィチ(Stephen Bishop Kovacevich、写真1)は米国ロサンゼルス出身の名ピアニスト、指揮者である。 これまでも度々来日しファンも多いが今回紹介するオーストラリア室内管弦楽団を自ら弾き振りした「ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集録音」(EMI)は国内盤未発売だったためかサー・コリン・デーヴィス指揮による「旧フィリップス盤」(1969年〜1974年録音)に比べ日本ではそれほどポピュラーではないようだ。 これは1988年から89年のシドニー・オペラ・ハウス-コンサート・ホールでのセッション盤で1991年〜92年に「英EMI エミネンス」シリーズとして3枚に分け売りされていた (写真2 各CDジャケット、英EMI Eminence-CD EMX 2177・2184・2190)。 演奏も「第1番」の「第1楽章」カデンツァはベートーヴェンが書いた長い方を採用、また「第4番」では第1楽章冒頭部分をアルペッジョ(分散和音)風で弾くなどなかなか興味をそそった。 またオーストラリア室内管弦楽団(Australian Chamber Orchestra)は1975年創設のシドニーを拠点に活動する室内オケーストラでシドニー交響楽団、メルボルン交響楽楽団と共に世界的にも定評がある。