ネーメ・ヤルヴィのバラキレフ「交響曲第1番」
「ロシア五人組」の立役者のひとりミリイ・バラキレフ(Mily Balakirev/1837~1910)の国内盤レコード・CDは調べてみると意外に少ない。 今回取り上げる交響曲第1番も過去に古くは1949年録音のカラヤン盤があったがそのほかはコンドラシン盤(1961年)やスヴェトラーノフ盤(1974年)などを思い起すぐらいである。 バラキレフは生涯に二つの交響曲を書いているが東洋的な楽想も色濃く聴けるこの第1番に興味をそそわれる。 紹介する盤はネーメ・ヤルヴィにしては珍しくバーミンガム市交響楽団との1980年代の録音で国内未発売の1枚である(写真1 N.ヤルヴィ&バーミンガム市響/バラキレフ交響曲第1番ほか、CDジャケット、英EMI CDC7 47505 2 /写真2 演奏データ)。 このレコーディングが行われた時代はバーミンガム市交響楽団がまさに世界のメージャー・オーケストラに駆け上った時期でありヤルヴィとの息もあいバラキレフのロマンティシズムあふれるこの作品を見事に聴かせている。 尚、CDには冒頭にロシア五人組とも関係が深かったリャードフのプ―シキン記念のポロネーズが収録されている。