バリリ弦楽四重奏団によるモーツァルト「弦楽四重奏曲第12番&第13番」、1955年モノラル録音
今年(2021年)矍鑠たる100歳を迎え祝福されたワルター・バリリ(Walter Barylli)が「ウィーン・フィル」コンサート・マスター時代に戦後結成したバリリ弦楽四重奏団も今や伝説の四重奏団となった。 このバリリ四重奏団はモーツァルトの弦楽四重奏曲作品のうちハイドン・セットと呼ばれる「第14番」を除く「第15番」から「第19番」と「プロイセン王四重奏曲」の最後を飾る「第23番」をレコード録音しなかったことが惜しまれる。 今回紹介する「第12番変ロ長調K.172」「第13番ニ短調K.173」はモーツァルトがウィーン滞在中の1773年に書いた一般にウィーン四重奏曲のジャンルにくくられる。 どちらかと云えば地味な作品だがこのバリリ盤の典雅な演奏によく針をおろしている。 紹介LPは1976年に日本コロムビアからウェストミンスター名盤コレクションシリーズとしてリリースされた1枚だった(写真1 LPジャケット、日本コロムビアOW-8023-AW/写真2 レーベル面)。