フリッチャイ&スイス・ロマンド管「ブラームス交響曲第1番」ライブ盤
9月の「グラモフォン・カレンダー」の顔、「フェレンツ・フリッチャイ」を眺めながら彼が「スイス・ロマンド管弦楽団」に客演指揮した写真の「ブラームス交響曲第1番」のライブ盤ジャケットが頭に浮かんだ(写真1)。 このCDは2010年にスイスのCASCAVELLE(カスカヴェル)レーベルから注目を浴びリリースされた1枚である。 フリッチャイはドイツ・グラモフォンに数々の名録音を遺しているが「第1番」は録音しなかったため私が知る限りではこのほかその後リリースされた1958年の北ドイツ放送響とのライブ盤が「仏TAHRA」にあるぐらいである。 このスイス・ロマンド管弦楽団とのコンサートは1956年2月8日に本拠地ジュネーヴのヴィクトリア・ホールで行われている。 CDにはプログラム前半に演奏されたアルド・チッコリーニ(Aldo Ciccolini / 1925-2015)が弾くリストのピアノ協奏曲第2番も収録されている。 チッコリーニはイタリアのナポリ出身1969年にフランスに帰化しサティやドビュッシーを得意とした世界的ピニスト、またリストの名手として定評があった。 この演奏も若きチッコリーニのピアノ・テクニックが冴えわたる名演である(写真2 CD収録演奏データ / 写真3 CDレーベル面)。 フリッチャイが振る「第1番」のこの演奏、結構スリリングでテンポも自在に動かしながら終楽章に向かうにつれ圧巻である。 CDに収録された聴衆の拍手がその興奮度を伝えている。 モノラル録音だが録音は極めて良好である。