ベルリオーズの“ふるさと”を訪ねて
ベルリオーズの“ふるさと”を訪ねて
- 2003年8月、ラ・コート・サンタンドレ(フランス)にて-
2003年はフランス・ロマン派音楽代表格エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz/1803-1869)生誕200年記念の年に当たっていた。彼は南フランスのグルノーブル(Grenoble)にほど近い小さな街「ラ・コート=サン=タンドレ(La Côte-Saint-André)」の出身である。私はこの年の8月グルノーブルに滞在中のこともあり彼の生まれ故郷を訪ねてみることにした。街の観光案内所で資料 、生誕200年ベルリオーズ音楽祭情報冊子・ベルリオーズ博物館(生家)リニューアル・オープン情報等々を入手した(写真1/2)。「ラ・コート=サン=タンドレ」には最寄りの鉄道駅がないためグルノーブル・バス・ターミナルから1日1往復((往)午前7時発(復)午後6時発)の路線バスを利用するほかなかった(写真3 バス・チケット)。所要時間は片道約70分である。この年の南フランスは連日酷暑が続いていた。気温が38℃を超えると市電が無料になる日も多かった。私が出掛けた8月9日(土)も快晴・酷暑で水分補給を心がけた。グルノーブルを午前7時に出発したバスは田園地帯を走り抜け午前8時過ぎに目的地「ラ・コート=サン=タンドレ」に到着した。バス停は街の入り口付近の広場にあった(写真4 街の入り口付近-ベルリオーズ音楽祭飾りつけの旗/写真5 広場の指揮者オブジェ)。街は20日から9月7日まで開催される「ベルリオーズ音楽祭」準備の飾りつけが始まっていた。ベルリオーズが生まれた家は街のメイン・ストリートに入ってすぐの所にあった(写真6 ベルリオーズ生家=博物館/写真7 街のメイン・ストリート)。 まだ朝が早いので博物館のオープンまでまだ時間もあったので先に街の散策をすることにした。この街のシンボル「ルイ11世の城」(写真8)の中庭も「ベルリオーズ音楽祭」ではコンサート会場として使用されている。このほかレ・アール(Les Halles)- 街の市場-やレトロな映画館(写真9)も音楽祭の特設会場になる。この2003年はベルリオーズ生誕200年祭でオーケストラ・コンサートもエマニュエル・クリヴィヌ指揮リヨン国立歌劇場管弦楽団、ミシェル・プラッソン指揮ツゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団等々、注目の客演が目を引いた(写真10 2003年音楽祭コンサート・スケジュール表一部)。とにかく猛暑で大変な1日だったがベルリオーズの生家(博物館)では貴重な資料を目にすることができ、さらに風光明媚なのどかな田舎町をカフェで休憩しながらゆっくり歩いて散策できたことも良き思い出となった(写真11 街の公園に立つベルリオーズ像)。
写真=全て筆者撮影