マルク・ミンコフスキのベルリオーズ「幻想交響曲」
今回は初リリース当時、古楽器とモダン楽器の二つのオーケストラによる合同演奏録音として話題になったマルク・ミンコフスキのベルリオーズ「幻想交響曲」を紹介したい。 指揮者マルク・ミンコフスキ(Marc Minkowski)はバロックのファゴット奏者として活躍し後にパリに古楽アンサンブルの「ルーヴル宮音楽隊(Les Musiciens du Louvre)」を結成、フランス・バロック音楽・オペラの分野に力を注ぎ南フランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭等々で活躍している。 また1996年よりこのルーヴル宮音楽隊はローヌ=アルプ地方の風光明媚なグルノーブル(Grenoble)に活動拠点を移している (写真1 ベルリオーズ像、グルノーブル市内公園、2003年8月筆者撮影/写真2 美しいヴェルダン広場、グルノーブル、筆者撮影2003年8月)。
紹介盤は2003年初リリースの独グラモフォンCDで、モダン楽器で演奏するベルリンに本拠を置く「マーラー室内管弦楽団」との合同演奏である。 2002年12月、パリのシテ・ド・ラ・ムジーク・グランド・サル(Cité de la Musique, Grande Salle)におけるライブ録音となっている。 ミンコフスキは「幻想」の第1楽章・第4楽章の反復も実行し演奏時間もおよそ60分弱と楽章を通じ色彩感豊かな名演を聴かせている。 フィルアップされた叙情的場面エルミニ(Herminie)は若きベルリオーズの「ローマ賞第2位」となった作品「幻想交響曲」の固定楽想も登場、独唱のオレリア・ルゲイ(Aurélia Legay)はフランス各地のオペラ・ハウスを中心に活躍中の名ソプラノである (写真3 CDジャケット独グラモフォン-474 209-2 /写真4 CD収録作品・演奏者/写真5 CD演奏データ)。