ユッカ=ペッカ・サラステ&WDR交響楽団のベートーヴェン

今回は最近の録音から注目したCDを取り上げてみたい。 それはフィンランドの名指揮者「ユッカ=ペッカ・サラステ(Jukka=Pekka Saraste)」が首席指揮者を務めるケルンの「WDR交響楽団(旧・ケルン放送交響楽団)」と2017年から18年にかけて完成した「ベートーヴェン交響曲全集盤」から「第4番・第5番」である。 この全集録音は全てライヴ録音でどの演奏も大変素晴らしいが特にこの「第4番・第5番」には惹きつけられた。 一言でいえば彼の繊細な感性がダイレクトに伝わる演奏である。 また「WDR響」の響きも美しい(写真1  サラステ&WDR響「ベートーヴェン交響曲第4番・第5番」CDジャケット、独Profil-PH17084)。 こころもちテンポを速めにとった演奏スタイルはほぼオーソドックスだが「第4番」では第1楽章の提示部の反復、「第5番」では第4楽章の前半の反復も実行しているところなどこの辺りも彼の丁寧さがうかがえる。
2017年2月、彼が「新日本フィル」と初共演した時のことを思い起す。 プログラムは台湾出身のヴァイオリニスト「レイ・チェン(Ray Chen)」を迎えてメンデルゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」・チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」が組まれ多くの聴衆を魅了した(写真2  「新日本フィル定期プログラム」に入れてもらったサラステのサイン)。

写真1    ユッカ=ペッカ・サラステ&WDR交響楽団「ベートーヴェン交響曲第4番・第5番」CDジャケット(Profil-PH17084)

写真2 「新日本フィル」初共演時(2017年2月)にプログラムに入れてもらったサラステのサイン