ヨゼフ・クリップス&ロンドン響の缶ケース入りベートーヴェン交響曲全集
1968年4月、「大阪国際フェスティバル」参加のため当時音楽監督を務めていた「サンフランシスコ交響楽団」と初来日、これが最初で最後の来日となったウィーン出身の「ヨゼフ・クリップス(Josef Krips /1902-1974)」のユニークな缶ケース入り「ベートーヴェン交響曲全集(5CDセット)」を紹介したい。
このCD全集盤は2006年にカナダの廉価盤レーベル「Madacy(マダシー)」からリリースされたものである(写真1 J. クリップス&ロンドン響「ベートーヴェン交響曲全集」 缶ケース入り(5CD)、カナダ・MADACY-TC2 52319 / 写真2 同全集・缶ケース・デザイン) 。 オリジナル原盤は「米エヴェレスト」の「35mmフィルム・マグネチック」によるステレオ録音である。 「35mmマグネチック・フィルム」録音につてはすでに「漫遊記315」で取り上げているが「米エヴェレスト」が当時開発した35mmマグネチック・フィルムを使用した画期的なハイファイ・ステレオ録音だった。 録音は1960年1月にロンドンの「ウォルサムストウ・タウン・ホール(Walthamstow Town Hall)」でのセッションである。 彼の演奏スタイルはオーソドックスで派手さはないがひとつのお手本みたいな全集に仕上がっている。 またこのキャンディー、チョコレート缶を連想させるケースが実にオシャレである。 因みにこの全集国内盤初出LPは1961年に「トップランク・レーベル」(日本ビクター)からリリースされた。