ヴァンスカ & ラハティ交響楽団(フィンランド)初来日公演 で"シベリウス・チクルス”を聴く、1999
〜1999年10月11日・13日・16日、すみだトリフォニーホールにて〜
フィンランドの首都ヘルシンキから北東へ約100km、以前「漫遊記39」でもふれたシベリウスの生まれ故郷「ハメーンリンナ」からは東へ約60Km平行移動すると古都「ラハティ」へ到着する。 この地に本拠を置く「ラハティ交響楽団」が時の音楽監督オスモ・ヴァンスカと共に初来日公演を行ったのは1999年10月のことである。 この楽団の創立は1949年、世界的にその名を轟かせたのは1990年代「BISレーベル」にヴァンスカの指揮によるシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」(1903/04年初稿版/レオニダス・カヴァコス(Vn))並びに「交響曲第5番」(1915年初稿版)を世界初リリースしたことだろう(写真1 シベリウス ヴァイオリン協奏曲(初稿版/現行版)CDジャケット/写真2 同交響曲第5番(1915年初稿版)/同交響詩「伝説」(1892年初稿版)CDジャケット)。 この初来日公演での東京公演では「シベリウス・チクルス」のプログラムが組まれ「交響曲第5番」・交響詩「伝説」初稿版が日本初演され大変注目された。 筆者は全公演聴けなかったが初日公演(11日)と注目された初稿版での「第5番」と交響詩「伝説」が演奏された13日公演、並びに最終日16日の公演に足を運んだ(写真3 ラハティ交響楽団初来日公演プログラム表紙/写真4 公演日程プログラム)。 また指揮のヴァンスカはクラリネットの名手でもあり1982年の「ヘルシンキ・フィル初来日公演」(漫遊記158)ではクラリネット奏者だった。 今回の公演ではやはり13日に生で聴いた4楽章形式の「第5番」のオリジナル版と最終日(16日)に聴くことができた交響詩「伝説」のオリジナル版が印象に残る。 今回「交響曲第5番」の初稿版と現行版を生で比較して聴くことができさらに現行版の素晴らしさを理解できた。 尚、公演最終日若き俊英ペッカ・クーシストが弾く「ヴァイオリン協奏曲」は1905年現行版で演奏された。 写真5は公演終了後にプログラムに入れてもらったヴァンスカのサインで先のCDジャケット2枚のサインもこの時のものである。