伝説のベートーヴェン弾き「エリー・ナイ」のステレオ録音

今や伝説のベートーヴェン弾きとも呼ばれるドイツの名ピアニスト、エリー・ナイ(Elly Ney /1882~1968)は1920年代初頭には初のレコード録音を行うなど数々の名録音を遺している。 今回はとりわけ彼女の貴重なベートーヴェンのステレオ録音にスポットをあててみたい。 今回紹介するベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番・第4番・第5番」一連の録音は元夫君でもあったオランダの指揮者ヴィレム・ヴァン・ホーフストラーテン(Willem van Hoogstraten /1884~1965)と共にニュルンベルク交響楽団(Nürnberger Symphoniker)とのステレオによる1960年から61年にかけてのセッション録音である (写真1  エリー・ナイ&ホーフストラーテン、CDブックレットから)。 ちなみに当時のオリジナルLPレコードも紹介のCDデジタル・リマスター盤と同様ドイツの「ニュルンベルク」に本拠を置いたコロセウム(COLOSSEUM)レーベルからリリースされた。 これらの録音では彼女はテンポを幾分遅めにとりじっくりと重厚で聴きごたえあるベートーヴエンを聴かせている。 また「第5番“皇帝“」には最晩年1967年のステレオ録音、「ピアノ・ソナタ第23番“熱情“」も収められており当時85歳とは思えないほど溌剌とした彼女の弾きぶりに凄みを感じた (写真2  エリー・ナイ「べートーヴェン-ピアノ協奏曲第3番・第4番」CDジャケット、独COLOSSEUM-COL 9015.2 /写真3  同CD演奏・録音データ/写真4-エリーナイ「ベートーヴェン-ピアノ協奏曲第5番・ソナタ「熱情」CDジャケット-独COLOSSEUM-COL 9019.2/写真5  同CD演奏・録音データ)。

写真1    エリー・ナイ&ヴィレム・ファン・ホーフストラーテン(CDブックレットから)

写真2    エリー・ナイ -ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番・第4番」CDジャケット(独COLOSSEM-COL 9015.21961年ステレオ録音)

写真3    写真2のCD演奏・録音データ

写真4    エリー・ナイ -ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番・ソナタ熱情」CDジャケット(独COLOSSEUM-COL 9019.2 1961年ステレオ録音)

写真5    写真4CD演奏・録音データ