北イタリア、レール・パスの旅(4)、1999年12月
〜 イタリア・ルネサンス文化遺産の街フィレンツェにて 〜
イタリア・ルネサンス文化の発祥の地フィレンツェは訪れるたびに新しい発見に巡りあえる魅力的な街でもある。 ミラノからフィレンツェの鉄道距離は南へおよそ320Km、超特急ユーロスターで2時間45分である(写真1 ミラノ〜フィレンツェ間、レールパス差額券)。 この日は気の向くまま中部のフィレンツェまで足を延ばしてみた。 列車は定刻の午前10時45分、花の都フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着した(写真2筆者撮影)。 フィレンツェについては以前「漫遊記23 "幻のコンサート"」で1977年当時の様子を取り上げているので今回は新たに角度を変えてこの街の魅力を綴ってみたいと思う。
先ず街の中心部、ヴェッキオ宮殿やウフィツィ美術館があるシニョーリア広場へ徒歩で向かった。広場に近い路地には土産物を売る出店が連なっていた(写真3筆者撮影)。 ヴェッキオ宮殿は13世紀末から14世紀初頭にかけ建てられたかつての政庁舎で現在も市庁舎として使われている。 五百人大広間と呼ばれるホールは「幻のコンサート」(漫遊記23)となった会場でもあった(写真4・5 五百人大広間、筆者撮影)。 宮殿の3階には礼拝堂も設置されている(写真6 礼拝堂/ 写真7 ウフィツィ美術館側からベッキオ宮殿の塔を眺める、以上筆者撮影)。 続いて街のシンボル「ドゥオモ」、ゴシック様式の大聖堂サンタ・アリア・デル・フィオーレに向かう。 こちらはドォモ/ サン・ジョヴァンニ礼拝堂/ ジョットの鐘楼の三つの建造物で構成され、いつもその規模に圧倒される(写真8 ドゥオモ/ 写真9 ドウォモ・ドーム天井絵画/ 写真10 ジョットの鐘楼、以上筆者撮影)。 見学後、そろそろ夕暮れも近ずく風光明媚な「アルノ川」沿いを歩いてみた。 この川に架かるベッキオ橋はその名の通りフィレンツェ最古の橋である(写真11 ベッキオ橋、筆者撮影)。 プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」でラウレッタのアリア「私のお父さん(O mio babbino caro)」にも歌われている。 この日最後に立ち寄ったスポットはサン・マルコ広場にあるサン・マルコ修道院、現在は美術館として公開されている(写真12 サン・マルコ修道院(美術館)、筆者撮影)。 12世紀建造の古い修道院で15世紀にはドメニコ派修道院となった。 院内には15世紀の修道士・画家のフラ・アンジェリコ作の「受胎告知」をはじめとする宗教画(フレスコ画)が多数飾られている。 また修道院祭壇前には初代修道院長の聖アントニーノの「聖遺物」が安置されていた(写真13筆者撮影)。
(つづく)