名匠クルト・アイヒホルンのブルックナー
ミュンヘン出身の名匠クルト・アイヒホルン(Kurt Eichhorn /1908~1994)は元来オペレッタやオペラを得意とした指揮者だった。 彼は1990年よりリンツ・ブルックナー管弦楽団(Bruckner Orchester Linz)と日本のカメラータ・トウキョウレーベルに一連のブルックナー交響曲を録音、ブルックナー指揮者としても高い人気を得た。 しかしながら彼は1994年85歳で生涯を終えたため全集録音には至らず。 残された作品はテオドール・グシュルバウアーとマルティン・ジークハルトにより録音され、リンツ・ブルックナー管弦楽団としての全集録音は完結している。 紹介盤の「第7番」はアイヒホルン&リンツ・ブルックナー管弦楽団による記念すべき初のブルックナー交響曲録音だった。 録音はこの楽団の本拠地ドナウ川沿いに位置するブルックナー・ハウス (Brucknerhaus)でのセッションである (写真1 CDジャケット、カメラータ32CM165 1990年リリース/ 写真2 CD演奏・録音データ/写真3 ブルックナー・ハウス、1986/87シーズン・コンサート・スケジュール冊子)。 また写真4は1992年にリリースされた聖フローリアン修道院におけるバイエルン放送交響楽団とのライブ盤「第5番」(独CAPRICCIO-08-10 609、1990年10月4・5日録音)である。 この演奏は大聖堂の残響と共にライブならではの熱気も伝わる名演である。 特に記載はないが録音データからこの年の「ブルックナー国際音楽祭」のライブ録音ではないかと思っている (写真5 CD録音データ)。