小澤&ブレンデルを聴く、1995

小澤征爾「新日本フィル」&アルフレッド・ブレンデルを聴く

~1995年9月19日、サントリーホールにて~

世界的名ピアニスト、アルフレッド・ブレンデルを筆者が初めて知ったのは1970年前後のことだったと思う。そのきっかけは彼が1960年代に彼が「米ヴォックス(VOX)」に録音した「ベートーヴェン・ソナタ全集」から「ソナタ第17番<テンペスト>」と「第21番ワルトシュタイン」がカップリングされた「米ターナーバウト(Turnabout)」のレコードを求めた時だった(写真1 米Turnabout LP)。 そのころ国内盤でも「日本コロムビア」のクラシック廉価盤シリーズでベートーヴェンやモーツアルト等の当時の録音がリリースされていた。しかし当時の日本では彼がそれほど注目されていなかったことを思い起す。因みに初来日は1971年10月、彼がちょうど40歳の時で東京を皮切りに各地でリサイタルを行っている(写真2 1971年ブレンデル初来日公演プログラム表紙/写真3 初来日公演日程と演奏曲目)。また彼はこの来日に相前後して「フィリップス・レーベル」にベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」の再録音を進行しており来日記念盤としても公演曲目の「第23番<熱情>」や「第29番<ハンマークラヴィア>」などがリリースされ日本でも人気のターニングポイントを迎えていた。その後も来日を重ねるごとに彼の人気度も上昇していく。
本題の小澤征爾が指揮する「新日本フィル」との共演特別演奏会は1995年9月19日・20日の2日間「サントリーホール」で開催された(写真4 小澤&ブレンデル特別演奏会チラシ/写真5 公演プログラム表紙)初来日からおよそ四半世紀近くが経過しブレンデルも64歳、一段と巨匠の風格も備わり得意とするベートーヴェンのピアノ協奏曲を2曲(第1番・第4番)、小澤が指揮する「新日本フィル」をバックに披露した(写真6 演奏曲目)。筆者は公演初日の19日の演奏を耳にしたが彼のピアノは派手さこそないが何か素朴でオーソドックスな演奏スタイルに好感が持てた。彼はその後1998年にはサー・サイモン・ラトルと通算4回目の「ベートーヴェンピアノ協奏曲全集録音」(フィリップス)をリリースした。写真7は通算4回目の「ベートーヴェン・ピアノ協奏曲全集CDジャケットで、写真8は1995年の公演チケットである。

写真1 「ブレンデル1960年代初頭VOX録音-ベートーヴェン ピアノソナタ「テンペスト&ワルトシュタイン」米Turnabout LP

写真2  ブレンデル初来日公演プログラム表紙(1971)

写真3  ブレンデル初来日公演日程&演奏曲目

写真 4 小澤&ブレンデル新日本フィル特別公演チラシ(1995)

写真 5 小澤&ブレンデル新日本フィル特別公演プログラム表紙(1995)

写真 6 小澤&ブレンデル新日本フィル特別演奏会プログラム

写真7 通算4回目の「ベートーヴェンピアノ協奏曲全集CDジャケット」

写真8 小澤&ブレンデル特別公演チケット(1995)