新春に聴く中国の抒情的名曲

今回は「新春に聴く中国の抒情的名曲」と題して紹介したい。 紹介する作品はいずれも「中国国立(国家)交響楽団」来日公演の際に耳にし気に入ってしまった三題である。 中国国立交響楽団(China National Symphony Orchestra)は1996年創立の中国を代表するオーケストラである。 筆者は1999年9月の初来日公演並びに2002年9月のアジア・オーケストラ・ウィークで再来日公演を会場で聴いた (写真1  「中国国立交響楽団」初来日公演プログラム表紙/写真2  「2002年アジア・オーケストラ・ウィーク」プログラム表紙)。 いずれの公演もプログラムの最初に演奏された作品が自国の作曲家による作品であった。 先ず初来日公演では芸術監督チェン・ツォファン(Chen Zuohuang)指揮によるチェン・ペイシェン(Chen Peixun)作曲「詠雪」とホワ・イェンジュン(HuaYanjun)作曲「二泉映月」原曲は中国伝統楽器「二胡」のための作品とのことだが弦楽合奏編曲版で演奏された。 また2002年公演では常任指揮者リー・シンサオ(Li Xincao)によるシュー・ツェンミン作曲「交響詩”楓橋夜泊”」を聴いた。 この作品はタイトルの通り唐代の詩人「張継」の有名な七言絶句(蘇州の古刹「寒山寺」に石碑がある。-漫遊記263参照)にインスピレーションを得て書かれたそうだ。 いずれの作品もとても抒情性に富み優美で聴き手をウットリとさせる。 ちなみに前者の二作品「詠雪」と「ニ泉映月」は1999年リリースのデビュー・アルバムに「ブラームス交響曲第1番」と共に収録された (写真3  「中国国立交響楽団デビュー・アルバム」ジャケット-PHILIPS国内盤PHCP-11168/写真4  CD演奏データ)。

写真1    「中国国立交響楽団」初来日公演プログラム表紙

写真2    「2002年アジア・オーケストラ・ウィーク」プログラム表紙

写真3    「中国国立交響楽団デビュー・アルバム」ジャケット(国内盤PHILIPS-PHCP-11168)

写真4    CD演奏データ