東独時代のオトマール・スウィトナー & ベルリン国立管来日公演を聴く
〜1977年1月17日、東京・文京公会堂にて〜
〜1978年10月24日、東京・渋谷公会堂にて〜
「ベルリン国立歌劇場管弦楽団」の初来日は東独時代の1977年1月のことである。この時はオペラ公演をメインにして同行した60名前後の小編成オーケストラでの「オーケストラ・コンサート」が開催され音楽総監督のオトマール・スウィトナーと若き井上道義が指揮台に立った(写真1 スウィトナー指揮特別演奏会チラシ/写真2 井上道義指揮2月東京公演チラシ)。筆者は1月17日文京公会堂におけるスウィトナー指揮による特別演奏会を聴いた。バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」やモーツアルトの「協奏交響曲」ではソロを担当した楽団のヴィルトゥオーソたちの巧みな演奏が心に残る。メインはベートーヴェンの「交響曲第2番」であった(写真3 1977年公演プログラム表紙/写真4 筆者が聴いたプログラムA(1977年1/17)/写真5 公演チケト-1977年1/17)。
翌1978年10月にはスウィトナーが率いるフル編成で来日、東京を皮切りに全18公演が行われた。筆者は公演初日10月24日渋谷公会堂でのワーグナー「ジークフリート牧歌」とブルックナー「交響曲第7番」を聴く(写真6 1978年来日公演プログラム表紙/写真7 筆者が聴いた公演曲目のプログラムA)。ブルックナーは基本的に「ノヴァーク版」による演奏だったと思うがテンポも中庸で飾り気のない素朴なスタイルが良かったと思う。しかし一方では当時の東京もまだまだクラシック・コンサートの会場が少なかったようで会場名からも時代を感じさせる。写真8は1978年10/24のフル編成での公演チケットである。