渋い枯淡な響き〜フランク、グリーグ、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ
今回は「1886年作曲のヴァイオリン・ソナタ(Violinsonaten a. 1886)」と題されたフランク、グリーグ、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ作品が収録されたCDアルバムを取り上げてみたい。 このアルバムは2014年にドイツのファラオ・クラシックス(FARAO CLASSICS)というレーベルからリリースされたちょっとこだわりがあるものだった。 演奏はバイエルン国立管弦楽団のコンサート・マスターを務めるマルクス・ヴォルフ(Markus Wolf、写真1)、ピアノ伴奏ユリアン・リーム(Julian Riem、写真2)のコンビである。 いずれの作品も人気が高い傑作だがそれぞれ初演当時の響きをできるだけ再現するために録音にあたりヴォルフは1722年製ストラディバリウスに19世紀フランスの名匠ジャン・ピエール・マリー・ペルソワ(Jean Pierre Marie Persoit)作の弓を使用、またリームが弾くピアノも19世紀のベヒシュタイン(Bechstein)というこだわりようである。 2014年3月ドイツ、ノイマルクト(Neumarkt)の録音スタジオ、ライトシュターデル(Reitsadel)におけるセッションで渋い枯淡な響きに魅了される(写真3 CDジャケット-独FARAO CLASSICS- B 108085 /写真4 CD収録作品)。