渡邉暁雄 都響 常任指揮者 就任披露 第41回定期公演を聴く、1972
〜1972年4月28日、東京文化会館にて〜
1972年4月、前任の「森 正」から引き継ぎ渡邉暁雄が「東京都交響楽団(東響)」の音楽監督・常任指揮者に就任した(写真1 「都響1972年度楽季<前期>定期公演リーフレット」/写真2 「同リーフレット見開きページ」)。就任披露公演は4月28日第41回定期公演で行われた(写真3 「都響第41回定期公演プログラム表紙」。公演プログラムはバッハ「ブランデンブルグ協奏曲第3番」、江藤俊哉をソリストに迎えたベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」、休憩を挟み十八番の「シベリウス交響曲第1番」が演奏された(写真4 第41回定期演奏曲目)。この「第1番」の演奏は第52回定期('73年4月17日東京文化会館)の「第2番」と合わせて2004年に「TOKYO FMレーベル」からCD化されており現在も聴くことができる(写真5 「渡邉暁雄&都響1972/73ステレオ・ライヴ2CDジャケット」)。氏は1960年代初頭、オーケストラ録音会場もまだ厳しい時代に「日本フィル」と世界初のステレオによる「シベリウス交響曲全集録音」を「エピックレーベル」からリリース、当時大変な話題を呼んだ(写真6 「渡邉暁雄&日本フィル1961-62年世界初ステレオ録音によるシベリウス交響曲全集の初CD化(1996)」)。さらに1981年には同コンビでデジタル録音による2度目の全集録音を成し遂げている(写真7 同コンビによる1981年デジタル録音によるシベリウス交響曲全集CD)。筆者が氏のシベリウス「交響曲第1番」の生演奏に接したのは以前にもふれたが1968年10月「東京フィル」の定期公演であった(漫遊記39)。今回この「都響」との演奏でも氏のシベリウス・スペシャリストとしての奥義を極めた演奏を満喫できた。写真8はこの「都響第41回定期公演チケット(1972)」である。