矢代秋雄&三善 晃の交響作品から
矢代秋雄(1929~1976)と三善 晃(1933~2013)はほぼ同世代のしかも二人とも「パリ音楽院」に留学経験もある日本を代表する現代音楽作曲家である。 矢代秋雄は今年(2019年)生誕90年を迎えた (写真1 矢代秋雄と三善 晃/CD解説掲載写真) 。 今回はこの二人の交響作品を収録したライブ盤を取り上げてみたい。 写真2は渡邉暁雄&日本フィルハーモニー交響楽団による「矢代秋雄-交響曲」(1958)/「三善 晃/交響三章」(1960)を収めた1981年11月17日に「東京厚生年金会館で開催されたコンサート・ライブ盤である (ビクター・エンタテイメント 、 VICC-23011 、 1995年リリース)/写真3 CD演奏・録音データ)。 ちなみにこのオリジナル盤は1983年にLPで発売された。 両曲共に日本フィルの委嘱作品で初演もこのCDと同コンビの演奏で「交響曲」が1958年6月、「交響三章」が1960年10月の定期公演で行われている。 矢代秋雄は「セザール・フランク」を心酔、この交響曲にもフランクの「循環形式」の影響がみられ「第2楽章」のティンパニによる神楽囃子風のリズムも興味深い。 一方、三善 晃の「交響三章」は「緩―急―緩」の三楽章構成、この作品は三部形式の「第1楽章」中間部、打楽器も加わるクライマックスと「第2楽章」の変拍子が印象的である。