管弦楽版によるエリック・サティ作品を集めた珍盤
20世紀フランス近代音楽の特異な作曲家として知られたエリック・サティ(Erik Satie/1866~1925、写真1)のちょっと珍しいアルバムを取り上げてみたい。 このLPレコードはロンドン出身(後にオーストラリア帰化)のバレエ指揮者として高名だったジョン・ランチベリー(John Lanchbery/1923~2003、写真2)がコベント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団と1976年・78年に録音したものである。 アルバムのタイトル「モノト―ンズ(MONOTONES)」は英国を代表する舞踊振り付け師フデレリック・アッシュトン(Frederick Ashton/1904~1988)がサティの代表的ピアノ作品「グノシェンヌ」や「ジムノペディ」など選び指揮者ランチベリーによる新編曲も加えてバレエ音楽に仕立てたものである。 アルバムにはこのほかサティの死後発見されたパントマイム作品「びっくり箱(Jack in the box)」(ミヨー編曲版)、「梨の形をした3つの小品(Trois Morceaux en forme de poire)」(デゾルミエール編曲版)、プーランク編曲版による二つの前奏曲など普段耳にすることがない珍しい作品が収録されている。 尚、写真のLPは1979年にリリースされたフランス・パテ・マルコニ盤である (写真3 仏パテEMI-C 069 03500 LPジャケット/写真4 LPレーベル面)。