マルケヴィチ&ロンドン響を聴く
ロイヤル・フェスティバルホール、1979
マルケヴィチ&ロンドン響を聴く- 1979年3月、ロンドンにて–
1979年のこの年、ロンドン交響楽団(ロンドン響)は創立75周年を迎えた。当時、首席指揮者はアンドレ・プレヴィン、彼の数々のレコード録音をはじめとするマルチで斬新的な活動も思い起される。私が足を運んだ1979年3月22日は日本にも縁の深いイゴ-リ・マルケヴィチ(1912-1983)が客演、ベートーヴェン交響曲第6番「田園」と彼のオハコ、ストラヴィンスキー「春の祭典」が演奏された。会場は「ロイヤル・フェスティバルホール」。(写真1 プログラム表紙/写真2 演奏曲目)さすがにもう長い年月が経過しているため演奏の細部の記憶は飛んでしまった。でも目をつむりながら当時を振り返ると僅かながら思い浮かんでくる。「田園」は冒頭からかなりゆっくりとしたテンポでじっくりと聴かせる彼の個性がうかがえる演奏ではなかったかと思われる。休憩後に演奏されたストラヴィンスキー「春の祭典」に至ってはさすがに彼の十八番、変拍子のリズムさばきが巧みだったことが思いだされる(写真3 マルケヴィチ紹介)。(写真4)は当時この先のロンドン響のコンサート・スケジュールだが創立75周年とあってかアバド、チェリビダッケ、ベーム、バーンスタイン等々、当時の大物指揮者のラインナップがそろう。このあたりは羨ましい。余談になるがベームはこの79年3月「読売日響」の定期を振る予定だった。プログラムはシューベルト「交響曲第2番」と「交響曲第8番<ザ・グレート>」。しかし残念ながら高齢のため長距離移動は困難とのドクター・ストップがかかり来日キャンセルとなった。結果、プログラムは「ワーグナー・プロ」に変更され指揮者はロンドン響にも4月客演のロリス・チェクナヴォリアンに変更、ソリストに名ソプラノ、ビルギット・ニルソンも来日した。私はいずれにしてもロンドン滞在中のため行けなかったが・・・