超個性的な演奏を集めて(3、完)
〜グレン・グールド、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番<皇帝>〜
「グレン・グールド(Glenn Gould /1932~1982)」もまさに超個性的ピアニストだった。 1982年10月、彼の突然の訃報を耳にした時の衝撃は忘れることができない。 50歳の死はあまりにも早すぎた。 彼は「米CBS」に数多くの録音を遺しているが今回紹介する1966年録音レオポルド・ストコフスキー指揮アメリカ交響楽団とのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番<皇帝>」の超異彩な演奏は世界中のクラシック音楽ファンに衝撃をもたらした。 「第1楽章」冒頭ピアノで始まる序奏、テヌート気味に強烈なアクセントをつけながらの演奏にビックリ、一度聴いたら忘れることができないグールドのオリジナリティーが前面に出た興味深いものだった。 「皇帝」の演奏・録音史に残る1枚であろう。 写真のCDはグールド没後25年にあたる2007年「ヨーロッパ(EU)SONY・BMGレーベル」よりリリースされた先の1966年米CBSオルジナルLPジャケット使用の記念盤(写真1)でジャケット裏面も同オリジナルLP仕様である(写真2)。 因みに管弦楽の「アメリカ交響楽団」は1962年当時80歳を迎えたレオポルド・ストコフスキーによりニューヨークに創設された。 彼はアメリカを離れる1972年までこの楽団の音楽監督を務めている。 (完)