「ウィーン男声合唱団」を聴く
ウィーン楽友協会大ホール、1979
「ウィーン男声合唱団」を聴く- 1979年11月、ウィーンにて-
「ウィーン男声合唱団(Wiener Männergesang-Verein)」は1843年に結成された歴史と共に格調高い男性合唱団である。レパートリーも幅広いが特に宗教音楽を得意としている。私が足を運んだこのコンサート(1979年11月13日、ウィーン楽友協会大ホール、写真1 1979年11月筆者撮影)では「フランツ・リスト・コンサート(Franz Liszt-Konzert)と題しリストのオルガン曲を中心にプログラムが組まれていた(写真2 プログラム表紙/写真3 演奏曲目)。日本ではめったに生を聴く機会がない作品なので大変貴重な体験にもなった。演奏曲目はJ.S.バッハのカンタータ「泣き、嘆き、悲しみ、おののき、通奏低音による変奏曲」(リスト/オルガン編曲)、「オルガン・ミサ曲」、「コンソレーション(慰め)」、最後に「バッハの名による前奏曲とフーガ(Praeludium und Fuge über B-A-C-H)が演奏された。リストは1848年にワイマールの宮廷楽長に招かれ1859年までその職にあった。今回のプログラムにはこのワイマール時代の作品が多く取り上げられている。(写真4)はコンサート・チケット。
なお1869年から亡くなる1886年まで過ごした家はワイマールに「リスト記念館」として保存されておりリストが愛用したピアノや自筆楽譜など貴重な資料が展示されている(写真 5、6)。私も2002年秋に訪れてみた。(写真7、8 リストがワイマールに定住した家、筆者撮影2002年9月)指揮者のクサヴァー・メイヤー(Xaver Meyer)は音楽学者でもあり当時この合唱団の常任指揮者を務めていた。またオルガンのペーター・プランヤフスキー(Peter Planyavsky)は1969年から2004年までウィーンの聖シュテファン大聖堂のオルガン奏者を務めたウィーンの名オルガニストのひとり。作曲家でもあり現在も活躍中である。