「オーケストラがやってきた」- つくば科学万博 `85 -

山本直純&東京都交響楽団コンサート、1985年8月10日、EXPO PLAZAにて

イベントタイトルの「オーケストラがやってきた」はかつて「TBSテレビ」系列で放送されたクラシック音楽番組である。プログラムの企画原案はユニークなキャラクターで人気を博した指揮者・作曲家の山本直純が担当、わかりやすい解説とユーモアあふれる語り口に数多くのファンを魅了し一躍人気番組となった。放送番組としてはこの「科学万博」のおよそ2年前に終了していたが「万博バージョン」として再演された。オーケストラは「東京都交響楽団」が出演、メンバーもカラフルなTシャツ姿でリラックス・ムードだった。プログラムは2部構成、第1部はオープニングに演奏されたスッペ「軽騎兵」序曲で会場の雰囲気を盛り上げ、直純氏の投げキッスでの挨拶も駆けつけた満員(約8,000人)の観衆に笑いを誘った。オーケストラをパート別に紹介しながユーモアを交えながら話を進める直純スタイルに普段あまりクラシック音楽に縁がない方々も自然に彼の語りに引き付けられていく。まさにこれは「直純流マジック」と云ってもいいだろう。続く第2部ではワーグーナ歌劇「タンホイザー」から「大行進曲」やベートーヴェンの「トルコ行進曲」等々親しみやすい名曲が次々に演奏され和やかな雰囲気のうちに90分余りのコンサートは終了した。
この日で「科学万博」も閉幕まであと1ヵ月余りに迫り入場者数も日増しに増えはじめ当日は土曜日にもあたり総入場者数は12万人に迫っていた。この「EXPO PLAZA」も昼夜ダブルの催事が組まれ夜の部は当時大人気の「早見優」のコンサートが18時30分から開催され満員のファンの興奮も最高潮に達した1日であった。
写真1~4は「オーケストラがやってきた」コンサート・スナップ写真、博覧会協会催事部撮影・1985年8月10日のEXPO PLAZAである。

写真1 カラフルなTシャツ姿の「東京都交響楽団」メンバー、つくば科学万博 `85

写真2 「直純流マジック」炸裂、つくば科学万博 `85

写真3 指揮を務めた山本直純、つくば科学万博 `85

写真3 語りでも人を引き付けた指揮者山本直純、つくば科学万博 `85