「コニサー・ソサエティ・シリーズ録音」から
〜 イヴァン・モラヴェッツの”ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」” 〜
チェコ、プラハ出身の名ピアニスト「イヴァン・モラヴェッツ(Ivan Moravec / 1930-2015)」のピアノは透明度の高い美音で世界的に注目された。 彼が確か1971年に来日の際、「日本フィル」に客演した時のべートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」の演奏がいまだに忘れられない。 彼は1960年代初頭からアメリカのマイナー・レーベル「コニサー・ソサエティ(Connoisseur Society)」に数々の名録音を遺している。 今回紹介する1963年録音のベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」はこのシリーズ録音では私の一番好きな演奏である。 国内盤は1960年代末頃に「フィリップス・レーベル」から発売された(写真1 イヴァン・モラヴェッツ、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」LPジャケット(日本フィリップスSFX-7659)/ 写真2 同LP見開きジャケット裏面)。 指揮は同じプラハ出身のマルティン・トゥルノフスキー、管弦楽はウィーン楽友協会管弦楽団(Orchestra of the Vienna Musikverein)となっている。 またトゥルノフスキーは今年91歳を迎える長老で「群馬交響楽団」の首席客演指揮者も務めておりファンも多い。 この「コニサー録音」の特徴は76cm/s マスター・テープによる超ステレオ録音で米オリジナルは45回転盤でリリースされたようである。 ちなみにこの国内盤は33回転盤だが「第4番」1曲のみを両面にゆったりとカッティングした贅沢な1枚である。 尚、解説によればモラヴェッツのアメリカ録音で使用するピアノはアメリカ・ブランド「ボールドウィン(Baldwin)」だったそうだがこのウィーン録音ではさすがに「ヴェーゼンドルファー(Bösendorfer)」による録音とのことである。