「シンガポール交響楽団」を聴く

「シンガポール交響楽団」を聴く- 1997年7月15日、シンガポールにて –

「シンガポール交響楽団」は1979年創設、私が接した1997年はまだ創立して18年のまだ若いオーケストラだった。ちょうどこの年、中国出身アメリカ系指揮者ラン・シュイ(Lan Shui)を新音楽監督に迎えこの楽団の世界的知名度を上げたと云われている。とりわけこのコンビによるロシアの作曲家アレクサンドル・チェレプニンの世界初の交響曲全集録音(BISスウェーデン・レーベル)は世界から注目された。私が生で聴いたコンサートは「KIDDIE CONCERT(ちびっ子コンサート)」と題する子供を対象としたコンサート(写真1 コンサート・チラシ)だったが午後4時開演の部は大人もOKとのことなので覗いて見ることにした。会場は旧英国植民地時代の官庁街に立つ「ヴィクトリア・シアター&コンサート・ホール」(写真2/右側がコンサート・ホール)である。劇場正面には欧米人として初めてシンガポールに上陸したトーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿の銅像(レプリカ)が立つ(写真3)。コンサートは正味1時間足らずのシンプルなものでチラシの「ベートーヴェン・バック・トゥ・ザ・フューチャー」というタイトルが付けられていた。指揮はアメリカのダヴィッド・アラン・ミラーが客演。この人はロサンゼルス出身でオルバニー交響楽団(Albany Symphony Orchestra, New York)の音楽監督を現在も務めている。この日演奏された作品は歌劇「フィデリオ」序曲/「レオノーレ序曲」第3番/「交響曲第7番」から第3楽章/「交響曲第5」からフィナーレなど、特にトークもなく通常のコンサートのように進められた(写真4 コンサート・チケット)。オーケストラは中国系を中心に多国籍のメンバーも集まり演奏レベルの高さをうかがわせた。また2003年の「アジア・オーケストラ・ウィーク」にも来日している。首席客演指揮者には日本でも人気が高い先日(2018年)も来日したフィンランドの名匠オッコ・カムが務めているようである。写真5・6・7・8は2018年4月来日の折、懐かしい彼のシベリウスのLP4枚にサインを入れてもらったもの。尚、2002年よりコンサート会場を新設された総合芸術センター「エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイ」のコンサート・ホールに移しコンサート活動を行っている。

写真1 Beethoven Back to the Futureのコンサートチラシ

写真2 ヴィクトリア劇場&コンサートホール シンガポール1997年7月撮影

写真3 コンサートホールの正面に立つラッフルズ卿の銅像

写真4 Kiddie Concert(ちびっ子コンサート)の チケット

写真5 LPに入れてもらったオッコ・カムのサイン(1)

写真6 LPに入れてもらったオッコ・カムのサイン(2)

写真7 LPに入れてもらったオッコ・カムのサイン(3)

写真8 LPに入れてもらったオッコ・カムのサイン(4)