「フルトヴェングラー"交響曲第1番”」を聴く

ワイマール州立歌劇場管弦楽団来日公演、2002

「フルトヴェングラー"交響曲第1番”」を聴く- 2002年6月22日、東京にて-

20世紀を代表する世界的名指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは作曲家としても後期ロマン派風の大作を遺している。とりわけ彼の3つの交響曲作品はスケール感もあり個人的にも気に入っている。しかし、これまで生で聴く機会がなかった。そうしたなか、2002年6月の「ワイマール州立歌劇場管弦楽団」初来日公演で「交響曲第1番ロ短調」が日本初演されることを知り早速会場に足を運ぶことにした(写真1 公演チラシ/写真2 初来日公演プログラム表紙)。お目当てのこの日本初演は6月22日、「東京オペラ・シティコンサートホール」における公演で(写真3 公演スケジュール、Cプロ)この日のプログラム構成がこれまた凄かった。このシンフォニーだけでも演奏時間約80分余りを要する上に前半にワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲と楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」も演奏されるというボリューム感あふれるプログラムである(写真4 プログラム演奏曲目)。指揮は当時音楽監督だったゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒト(George Alexander Albrecht)。ドイツ、ブレーメン出身のオペラ指揮者で当時この楽団の音楽監督を務めフルトヴェングラーの研究家としても知られていた。彼は当時すでに同コンビで独アルテノヴァ(Arte Nova)に「第1番」/「第3番」を録音済みで残る「第2番」も録音進行中であった。コンサートは期待通りメインのフルトヴェングラーはやはり聴きごたえ充分だった。さすがにアンコールはないと思ったが予想に反し2曲も演奏されたことにもビックリ。曖昧な記憶だがアンコール曲はシューベルト「ロザムンデ」から「間奏曲」とワーグナー歌劇「ローエングリーン」から「第3幕への序奏」だったと思う。そんなわけで午後6時半から始まったコンサートも終演は午後9時半をまわっていた。(写真5 アルブレヒトのサイン/写真6 CDに入れてもらったサイン)。
このコンサートから約3ヶ月後、ライプツィヒ滞在中の私はこの楽団の「ふるさと」ワイマール(Weimar)を訪問した。ワイマールにはライプツィヒから南西へ約100km弱、インターシティ特急で約1時間で行くことができ日帰りが充分可能である(写真7 DBワイマール駅、筆者撮影)。このオーケストラの本拠地とされる「ワイマール国民劇場」(写真8/筆者撮影)は文豪ゲーテやシラーが自作の演劇を上演したことでも知られている(写真9)。現在ではオペラ、演劇、オーケストラ・コンサート等々の公演が行われ劇場前広場にはゲーテとシラーの像が立っている。(写真10/筆者撮影)また青年時代のJ.S.バッハがこの街で過ごし宮廷オルガン奏者や宮廷楽団を率いて活躍し彼のオルガン作品の多くがこの地で作曲された。すでに「漫遊記24」でふれたと思うがフランツ・リストがワイマール宮廷楽長時代に定住した家も「リスト資料館」として残されている。

写真1 2002年ワイマール州立歌劇場管6月22日公演チラシ

写真2 ワイマール州立歌劇場管弦楽団初来日公演プログラム表紙2002

写真3 ワイマール州立歌劇場管弦楽団来日公演スケジュール

写真4 ワイマール州立歌劇場管弦楽団来日公演 演奏曲目

写真5 指揮をしたゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒトのサインを貰った

写真6 CDに入れてもらったゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒトのサイン CD

写真7 DBワイマール駅 2002年9月撮影

写真8 ワイマール国民劇場 2002年9月撮影

写真9 ワイマール ドイツ国民歌劇場&州立歌劇場 パンフレット

写真10 ワイマール国民劇場広場に立つゲーテとシラー像 2002年9月撮影