「マーキュリー・リヴィング・プレゼンス」CDから
ステレオ・ハイファイ録音が注目し始めた1950年代後半から1960年代初頭にかけての米マーキュリー録音のステレオ盤もまさに場感あふれ出る素晴らしいサウンドに圧倒された。 今回はこの懐かしの録音からのCD化、作曲家でもあるハワード・ハンソン(Howard Hanson/写真1)が指揮した20世紀アメリカを代表する「チャールズ・アイブズ」・「ウィリアム・シューマン」・「ピーター・メニン」の3人の作品を収めたマーキュリー・リヴィング・プレゼンス(Mercury Living Presence)盤を取り上げてみたい (写真2 CDジャケット、米MERCURY 432 755-2、1991年リリース) 。 とりわけアイヴズの「ニューイングランドの3つの場所」以外の3曲は日本では先ずコンサートで接する機会はほとんどないと思われる。 その意味でも興味津々の1枚だった。 アイヴズの交響曲第3番に付けられた「キャンプ・ミーティング」とは野外で楽しむ「キャンプ」ではなく教会での集会(説教)などを意味するそうである。 ウィリアム・シューマンはジュリアード音楽院の校長も務めジュリアード弦楽四重奏団の創設者としても知られている。 この「ニューイングランド3部作」は指揮者アンドレ・コステラネッツの委嘱により1956年に作曲されている。 またピーター・メニ」はウィリアム・シューマンの後任としてジュリアード音楽院の校長に就任た人で彼は9つの交響曲を書いているが「第5番」はダラス交響楽団の委嘱による1950年の作品である。 また管弦楽のイーストマン=ロチェスター管弦楽団はニューヨーク州ロチェスターに本拠を置くオーケストラで「ハンソン」とのコンビでこの「マーキュリー」レーベルに数々の録音を行っている(写真3 CD演奏データ/写真4 CD録音詳細データ)。