「ルツェルン・フェスティバル」のカール・シューリヒト

今回はカール・シューリヒト(Carl Schuricht/1880~1967)がルツェルン・フェスティバルに出演した際の貴重ライブ盤から紹介したい。 これは1961年と翌1962年の当時の会場、ルツェルン中央駅の横に位置するクンストハウス(Kunsthaus)でのコンサート・ライブである。 前者1961年ライブはソリストにフランスの名ピアニスト、ロベール・カサドシュ (Robert Casadesus(1899~1972)を迎えスイス音楽祭管弦楽団とのモーツアルトのピアノ協奏曲第27番、後者1962年ライブはシューリヒトとの関係も深かかったウィーン・フィルとのブラームス交響曲第2番が収録されている。 ジャケットに「1ST Master Release Original Tapes」のシールが貼れてあるようにモノラル録音ながら音質が抜群に素晴らしい。 モーツアルトのスペシャリストであるカサドシュの洗練された優雅なピアノタッチが印象的、またブラームス交響曲第2番は「漫遊記444」で彼のラスト・レコーディングとなった南ドイツ放送交響楽団 (シュトゥットガルト放送交響楽団)との演奏を紹介済みだがこのウィーン・フィルとの演奏もライブならでは熱気を感じさせる演奏である(写真1  独auditeデジパック仕様ジャケット、95. 645- 2017年リリース/写真2  CD録音・演奏データ)。
最後に余談になるがカサドシュは1963年と1968年の大阪国際フェスティバルに来日し筆者は1968年の東京公演(5月6日)の「ピアノ協奏曲公演」を東京文化会館で聴いている。 この時は夫人のギャビー・カサドシュ、息子のジャン・カサドシも同行、モーツアルト3台のためのピアノ協奏曲や作曲家でもあるカサドシュ自身の「3台のためのピアノ協奏曲」なども披露している(管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団、指揮は渡邉暁雄/写真3  1968年「ローベル・カサドシュ来日東京公演プログラム表紙/写真4  R. カサドシュ&カール・シューリヒト、1968年ロベール・カサドシュ来日東京公演プログラム掲載写真)。

写真1    C. シューリヒト「ルツェルン・フェスティバル」ライブ-デジパック仕様ジャケット(独audite-95.645)

写真2    CD録音・演奏データ

写真3    1968年R.カサドシュ来日東京公演プログラム表紙

写真4    R.カサドシュ&C. シューリヒト(1968年カサドシュ来日東京公演プログラム掲載写真)