「東京交響楽団 – 日本現代作曲家シリーズ」LPから
今回は筆者が学生時代1960年代後半から70年代初頭にかけて東芝レコード (東芝音楽工業)からリリースされていた東京交響楽団による「日本現代作曲家シリーズ」LPより 紹介したい。 写真1はこのシリーズからの1枚、昭和を代表する作曲家「黛 敏郎」と「芥川也寸志」の作品を収録したアルバムで「森 正」指揮による演奏である。 収録された作品は黛 敏郎「饗宴(BACCHANALE バッカナール)」(1954)・「フォノロジ―・サンフォニーク(PHONOLOGIE SYMPHONIQUE)」(1957)、芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽(Music for Symphony Orchestra)」(1950)、「弦楽のためのトリプティーク(Triptyque for String Orchestra)」(1953)である。 黛の「饗宴」は5本のサクソフォーンを加わる3管編成のエネルギッシュな響きが魅力的、フランス語表記の「フォノロジー・サンフォニーク」は「交響的韻律学」と訳され「鐘」の倍音列からヒントを得たとの事、韻律的な音の響きである。 また芥川の「交響管弦楽のための音楽」は1950年「NHK放送25周年記念管弦楽懸賞」で「特選」に入選した作品、1955年戦後初来日したオーケストラ「シンフォニー・オブ・ジ・エア」と「NHK交響楽団」との「後楽園スタジアム」での合同演奏会ニュース映像も思い起される。 「弦楽のためのトリプティーク」のフランス語「Triptyque」は「3枚続きの絵」を意味する。1950年代にNHK交響楽団の常任指揮者もつとめたクルト・ヴェスの依頼で作曲された。 「第3楽章」の日本の太鼓によるリズムが印象的である(写真 LPレーベル面/写真3 「シンフォニー・オブ・ジ・エア」1955来日公演プログラム表紙)。